治安・防犯

治安・防犯
 
 
 

治安状況と防犯指針

マレーシアは、東南アジア諸国の中ではシンガポールに次いで治安のよい国であるが、日本と比べると、犯罪に遭遇する確率は遙かに高いと言わざるを得ない。特に近年は、イスラム過激派等によるテロ攻撃リスクをはじめ、地方から大都市への人口の流入、外国からの不法移民の流入、麻薬関連犯罪の増加等、日本とは比較にならない治安上の不安要素がある。

特に、クアラルンプール、ペナン、ジョホールバル等の主要都市では、置き引き・すり・ひったくりと言った金品を狙った犯罪が日常的に発生している。中でもひったくりは、時間を問わず、他人の視線が途切れる、あるいは誰も即座に対応できない状況や瞬間をとらえて発生することが多い。また、強盗事件や空き巣・忍び込み事件も日本より遙かに高い確率で発生している。

犯罪者が好む環境(犯罪を犯しやすい環境)は、概ね下記の3項目に集約される。

  1.  金品を多く携行する人が集う場所・環境
    例)ショッピングモール、両替所・ATM、ホテル及びその周辺
  2.  他人に見られにくい場所・環境
    例)人通りの少ない路地、街路樹や看板で視線が遮られている場所や出入口
  3.  接近しやすく、逃走しやすい場所・環境
    例)交差点、大通り沿い、路地の出口、建物・公共交通機関の出入口付近

報道等で、「白昼の繁華街で○○事件発生」と報じられる事件を詳細に観察すると、上記の条件を満たしていることが少なくない。「昼間だから(明るい)から安全」、「人通りがある(他人の視線がある)から安心」と即断せず、上記三要素の視点で訪問先や滞在先の環境を観察し、必要な対策を考えることが、事件に巻き込まれないことへ繋がる。

ある統計によればマレーシア都市部は日本と比較して犯罪被害のリスクが10倍以上となっている。次の4点を安全行動の指針とし、防犯に心がけること。

安全指針具体的な安全行動

1 未然防止の努力を怠らない

  • 新聞やネット等で治安情報を集め、情勢の傾向を掴む
  • 動きやすい服装、歩きやすい靴を選び、手荷物を減らす
  • 単独行動を避け、移動は徒歩よりも車やタクシーを利用する

2 危険を察知し回避行動をとる

  • 外出の必要性とリスクを比較し、状況によっては中止する
  • 外出中は常に事件・事故の発生を念頭に置き、周囲特に後方を警戒しながら移動する
  • バイク(特に二人乗り)や人だかりに警戒し、違和感を感じたらその場を離れる

3 身の安全の確保を最優先にする

  • 強盗等に金品を要求されたら抵抗せずに素直に手渡す
  • 警察への通報よりも被害現場からの早期離脱を優先する

4 「警戒心」を誇示して犯罪を避ける

  • 外出中は時々背後を振り返る。ショーウィンドーがあれば、自分を観察しているものがいないか確認する
  • ATMや両替所周辺では、同行者に背面を監視して貰う。財布を取り扱うときには視線を遮る
  • 子供連れの時には両親で挟んで移動する。夫婦連れなら夫が妻のやや後方に位置して周辺を警戒する

※犯罪者に「警戒心」を誇示して犯行を断念させる

万一、犯罪被害に遭遇した場合には、上述のとおり身の安全を最優先とする。警察への通報が可能であれば、下記ホットラインを参考に通報し、日本人会周辺であれば必ず日本人会事務局へも連絡する。被害届(ポリスレポート)の作成や怪我の治療等を済ませたら、大使館にも連絡すること。

警察ホットライン(マレー語/英語)
日本人会・ミッドバレー周辺 03-9057-1086 KL市内全体 03-2115-9999

在マレーシア日本国大使館
365日・24時間 03-2177-2600

犯罪被害の事例

*ひったくり

旅行者やセカンドホーマーの女性が一番被害に遭いやすい犯罪である。信号待ち等で歩道に立っていた時に、二人乗りのバイクに後ろから追い抜かれざまにハンドバッグやショルダーバッグをひったくられるケースが多い。最近では、歩道を歩いている女性が、後ろから来た男に追い越しざまにハンドバッグをひったくられたケースも出ている。日本から来た人が被害に遭ったが、余りにもとっさの出来事だったため一瞬何が起きたかわからないほど巧妙な手口であった。ハンドバッグをしっかり持っていて離さなかったため引きずられて転倒し大怪我をした人もいる。

防止策:

①ひったくりが多発している「危険ゾーン」では充分注意を払う必要がある。

例:ブキビンタンの交差点の歩道一帯、チャイナタウンからセントラルマーケットへかけての歩道一帯、PWTCからチョウキットへかけての一帯、日本人会の門を出てから車の大通りまでの歩道一帯、最近では、タマンデサ等の住宅街でも被害が出ているのでご注意を!

②そうした場所にどうしても行かなくてはならない時には、絶対に一人では行かないこと。ご主人がいる場合は、ご主人に車道側を歩いてもらう。5~6人で歩いていても被害に遭った方もいる。

③ショルダーバッグ等は道路側の肩にかけるのは避け、しっかり身体につけて持つようにしたい。また、ひったくられる瞬間にバッグごと身体もいっしょに引きずられることがあり、とても危険。無理をして引っ張り返すよりもバッグは諦めても怪我をしないようにしたい。

④パスポート、クレジットカード、ATMカードは分散して所持する。

*集団スリ

観光客の集まる大型ショッピングセンターのエスカレーターやエレベーターの中で、役割分担を決めた数人の男が、現金を持っていそうな観光客を取り囲み、他のことに気をそらせているうちにハンドバッグやポケットから金品を盗み、あっという間にリレー方式で仲間に渡して、誰が盗んだかわからないようにする巧妙な手口がある。最近はモノレールやLRTの電車の中でも、わざと小銭をまいて親切にそれを拾おうとする人のハンドバッグやポケットから財布を盗む「コイン・ドロップ盗」も増えている。

防止策:

①人目の多い駅の通路やショッピングセンターと言えども、そういう危険があることは覚悟して行くこと。

②エスカレーターに乗る時は後方に注意。一人の時はエレベーターはできるだけ避ける。また不審な集団だけが乗っている場合は次を待つこと。

③ハンドバッグは持ち歩かず、大事なものは腰のポシェットに入れ、男性の場合はズボンの後ろポケットには絶対財布を入れないこと!! ズボンの後ろポケットに両替したばかりの3,000リンギを入れた財布をあっという間に盗まれた人がいる。「ここは日本ではない」との認識を!

④大声を上げても助けてくれる人は少ないので、自己防衛以外に方法はない。

*ATM・両替後の被害



銀行で1万リンギ以上の現金を引き出して車で帰る途中、バイクの青年に「タイヤがパンクしている」と言われて運転席から降り、タイヤを見に言っている数秒間に運手席に置いた1万リンギ入りのセカンドバッグが無くなっていた計画的な窃盗事件や、ATMで現金を引き出した直後に数人の男に囲まれて殴られ、現金を奪われた強盗事件も発生している。

防止策:

①銀行から多額の現金をおろす場合は、銀行振り込みを利用するかBank Draft (銀行為替)にしてもらい、多額の現金は持ち歩かない。

②どうしても多額の現金を出す必要のある時は、友人なりに頼んでボディガードをしてもらう。

③車を使う場合は乗ったあと必ず内側からドアロックをしておく。バイクや車を接触させる等して、見知らぬ男から不自然な状況で「車を止めて欲しい」という要求があっても、車は止めず、寄り道もしない。

④ATMで現金を出したり、両替屋でお金を替えたりする時は、左右と後方をしっかり見て、こちらを見ている人影があったら、一旦そこを離れ、別の時間帯に別の所で出したり、両替をする等の自衛策を講じる。

⑤この場合も、一度に多額の現金のやり取りをせず、最高1,000リンギ程度にとどめておく。

*車上あらし

マレーシアでは、全ての料金所で止まらずに通過できる「スマート・タグ」という便利な自動車料金徴収システムが発達しており、普通運転席の前に置くようになっているが、一時これが品薄になり、プレミアがついたことがあって、外から見えるところに置くと、スパナや石で車のガラスを割り、これだけ盗んでいく犯罪が続発した。「スマート・タグ」に限らず、ハンドバッグやアタッシュケース、それにノートパソコン等金目のものは絶対車内に置かないのが、最高の自衛策となる。盗まれた場合は警察と保険会社にすぐ連絡すること。

防止策:

①車を離れる時は、金目のものは外から見てすぐ分かるような座席の上には置かない。

②ハンドバッグやアタッシュケース、それにノートパソコンの盗難が多発しており、最近ではトランクの中に入れておいたノートパソコンが探知機を使って数秒間で盗まれたケースも出ている。

③ 人通りの少ない薄暗い所や、正規の駐車場でない路上駐車は絶対にしない。

*空き巣・泥棒

どんな立派なコンドミニアムでも、時としてガードマンが窃盗グループに情報を流している場合があり、あるコンドミニアムでは半年間に13件の空き巣泥棒が入った。犯行時間が午前10時から午後4時ころまでの白昼空き巣だったため、契約する警備会社とガードマンを全員入れ替えたら、空き巣泥棒がピタッと無くなったというケースもある。

防止策:

①家を決める時、鉄格子のような「グリル・ドア」がついている部屋を選ぶ。

②これには錠前のカギをつけ、ドアには内カギとチェーンカギをつける。

③入居の時、大家にドアノブの「シリンダーキー」を取り替えてもらう。

④普段から向こう三軒両隣と仲良くし、留守の間はお互いに見張り役をし合う。また、信頼できる人以外には留守にすることを言わない。

⑤3日以上家を留守にする時は、応接間と台所の電気をつけておく。

*車の盗難

マレーシアは、東南アジアでただひとつ国産車を生産している国であるが、日本車やドイツ車等の「外車」は中古でも高く売れるので車の盗難が多い。高級車専門の車窃盗団があり、一日で国境を越えてタイに売られていたり、パーツごとに分解されて跡も形も無く消えてしまっている場合もある。嘘のようで実際あった話だが、ベンツに乗っていた人がガソリンスタンドで給油し、エンジンキーをつけたまま支払いに行っている数秒間に乗り逃げされる事件が起きている。最初からカモが来るのを待ち構えていた窃盗団の計画的な犯行である。盗まれた場合は警察と保険会社にすぐ連絡すること。

防止策:

①車を離れる時は、必ずエンジンキーを抜き、貴重品は社内に置かない。

②車を駐車する時は、シフトレバーを固定する「シフトロック」に加えて、ハンドルを固定する「ハンドルロック」も付けるとよい。これを壊すには時間がかかるので、犯人に犯行をあきらめさせる抑止力になる。

③駐車料等はしれているので、必ず所定の駐車場に停め路上駐車はしない。

*婦女暴行・性犯罪

日本人女性が被害にあったケースもゼロではない。発生場所は、人通りの少ない所や人目につかない所で、大きなショッピングセンターの地下駐車場で駐在員の奥さんが被害に遭ったという事例もある。ショッピングセンターが大きくなればなるほど地下駐車場は死角が多い。車が運転できても、決して女性一人では行かない等の自己防衛策が必要である。ショッピングセンターの明るい所でも、若い女性をターゲットに、足下に小銭をまいては猥褻な行為を働く集団や、エレベーターの中で女性の首もとに息を吹きかける等の事例も報告されており、十分な注意が必要である。

*偽警察官

マレーシアでは、法律の規定に基づき警察官は外国人に対しその身分を証明できる書類の提示を求めることができるが、これを悪用した犯罪がある。

私服刑事“風”の2~3人の男が、警察手帳らしきものをチラッとだけ見せ、麻薬事件やにせ札事件の捜査だと偽って、ハンドバッグや財布の提示を求め、中身を調べている間に巧みに現金を抜き取り、返してきたハンドバッグや財布からは金品が消えているという巧妙な手口であったり、あるいは、外国人の多いモントキアラ近辺の道路で車両を停止させ、警察官と偽ってパスポートの提示を求め、持っていなければ、罰金と称して、金銭を騙し取るといった事例も報告されている。警察官と称した人物への対応は以下を参考にする。

警官と称する人物からパスポート提示を求められた場合の対応

歩行中や運転中に警官に止められて、パスポートの提示を求められた場合:

  • 警官は外国人に対して身分証(パスポート)の提示を求める公権力を有しているので、落ち着いて冷静に対応する。
  • 警官に罵声を浴びせたり、腕力で抵抗したりすると、公務執行妨害容疑で逮捕される可能性もあるため、興奮した対応は絶対にしない。
  • 私服警官である場合には、警察官である旨のID提示を求める。制服警官の場合はID番号票が制服に装着されているので番号表を確認する。
  • 警官であることがはっきりした後、パスポートを提示する。

パスポートを携帯していなかった場合:

  • パスポートを携帯していない理由(例:盗難対策)と共にパスポートの保管場所を警官に説明する。
  • パスポートの写し(表紙、人定事項頁、マレーシアビザの頁、直近のマレーシア入国スタンプの頁等、顔写真部分は鮮明なもの)又はiKadを提示する。(iKadは、2019年7月より発効を休止している。)
  • パスポートの提示が出来ないことを理由に警察署への同行を求められたら、これを拒否することは難しいので、おとなしく指示に従う。ただし、警察署以外の場所への連行は拒否する。
  • 家族や知人にパスポートを連行先の警察署に届けるよう依頼する。家族や知人に頼めない場合には、パスポートの所在する場所まで警察官の同行を求め、そこでパスポートを提示する。

パスポートを所持していないという理由で、金銭を要求された場合:

  • 要求された金銭が何の罰金か確認する。なお、パスポートの不携帯のみを理由とした罰金制度は無いので、罰金の支払い要求には応じない。
  • 金銭の支払いを行わなければ身柄を解放しないとされた場合には、警官の氏名・IDを聴取して所属警察署に照会をかける。
  • 例えば日本人会周辺、モントキアラ、タマンデサで発生した場合は、所轄警察Brickfields police Hotline 03-9057-1086に電話する。所属警察番号が不明なときは、Tourists police hotline 03-2149-6590に電話する。
  • それでも金銭の要求を止めない場合には、日本国大使館に相談すると警官を牽制する。
  • 日本国大使館の連絡先は03-2177-2600(祝祭日も含め24時間対応)。

*渋滞中の強奪

日本では考えられない手口であるが、マレーシアでは日常に発生している事件。渋滞で込んだ道路を、車両と車両の間を縫うように2人乗りのバイク(前は獲物発見役兼・運転役、後ろは実行犯)が、目当ての車に後方より近づき、車の窓(たいていは助手席)をハンマーで瞬時に叩き割って、車内においてあったハンドバック等を強奪して逃げるという手口。渋滞しているので、車でバイクを追いかけることはできず、手馴れた犯人にはやすやすと金品をとられてしまう。ナンバーは偽造しており、犯罪者の特定も難しい。アタッシュケースを無造作に助手席のシートの上においたり、高価そうなバッグを外から見える位置に置いておくのは絶好のカモである。助手席に女性を乗せ、高価なバッグを膝の上に抱えているのも危険で、この場合は人物にも危害が及ぶ可能性がある。

防止策:

①たとえドライブ中とはいえ、助手席シート、後方シートの上など、車の外から見える場所に、バックや金品を置かない。膝の上にバックを抱えず、外から見えない足元に置く。

②車両の窓に、防犯用のセキュリティーフィルムを貼る。

*いかさま賭博

NHKの海外安全情報や大使館のホームページで繰り返し警告が発せられているにもかかわらず、未だに後を絶たない古典的な犯罪。ターゲットは、引き出し限度額に高いクレジットカードを持っている日本人旅行者で、甘い言葉でことば巧みに自宅に誘い込み、初めは勝たせたあと、アラブの金持ちを登場させ大金を賭けて負けさせ、最後はクレジットカードで高価な宝石を買わせたり、銀行のATMから利用限度額まで引き出させる手口。

防止策:

①街頭で見知らぬ人が日本語で話しかけてきたら、まず疑ってかかること。

②妹や娘が日本に留学するので日本のことを教えて欲しい等、もっともらしい嘘で自宅へ誘うが、絶対自宅へは行かないこと。場合によっては睡眠薬入りジュースを飲まされて身ぐるみはがされたケースもある。

③自宅へ行く途中で賭けトランプの話が出たら、毅然と「NO!」と言って帰ること。ここは外国なので「NOと言える自立した日本人」になる必要がある。

④万一銀行のATMまで行ってしまっても、暗証番号は教えず必ず近くにいる人に、大声で「HELP!  HELP!」と叫んで助けを求めること。

防犯への対策

*タクシーの利用

流しのタクシーに手を挙げて捉まえるのはリスクが高い。特に女性一人であればなおさらである。運転手が強盗や暴行魔に変身するといった犯罪事例もある。対策としては、コンドミニアムの知り合い仲間でいつも利用する”知り合いタクシー運転手”をつくったりGrabというアプリを利用したり、駅などではプレミアムタクシーを利用するのが安全である。

流しのタクシーに乗らざるを得ない場合には、日本のように手を上げて停車したタクシーに直ぐに乗り込まず、軽くドアを開けてまず車内を良く見る。例えば妙に車内が汚なかったり、運転手が怖そうだということであれば、軽く ”Sorry” といってドアを閉めて立ち去り、次のタクシーを捜そう。選択するのはこの国では失礼ではない。

*屋外での対応

屋外での被害のほとんどは「夜、人通りの無い所で…」「ちょっと目を離した隙に…」といった状況下で発生している。こうした被害に遭わないために次の点に注意すること。

①危険地帯に立ち入らない。
当たり前のことだが、それと気付かずにそういう場所に踏み込んでしまうことはありうる。一つの目安としては「繁華街の外れ」や「繁華街と住宅地域の境界付近」は要注意!また「夜間のハイウェイ」は人通りの少ない所の一つなので注意を。

②犯人に狙われないための工夫
どのような地域にもそれぞれの雰囲気があり、往来する人びとやその所持品や服装にも特徴がある。犯人に目を付けられないためには、極力周囲に溶け込むような服装をする必要があり、余りに華美な服装や装身具は避ける。

③犯行を行い辛くする工夫
犯人に目を付けられただけではまだ被害の候補生の段階なので、犯人は実行のチャンスを窺っている。犯人にチャンスを与えないためには…

  • ハンドバッグは車道側に持たない、肩に掛けない
  • 人混みを歩く時は、ハンドバッグを腕でかかえておく
  • 荷物から目を離さない
  • ズボンの後ろのポケットに財布を入れない
  • むやみに人前で財布を取り出さない

等の注意が必要。

④被害を最小限にくい止める工夫として、余分な現金は持ち歩かない。万一強盗(ホールド・アップ)の被害に遭った場合は、下手に抵抗せず「身の安全」を第一に考えて行動することが大切。

*生活上の留意点(近隣者、訪問者、使用人、家族、電話、郵便物、鍵、長期旅行等)

マレーシアでの生活上の安全・防犯対策についての留意点を挙げると、次の事項が考えられる。

  • 犯人は、侵入前に下見をすることが多いので、平素から住居周辺に気を配り、不審な者がうろついていた場合等は警察に通報する。
  • 平素から、訪問者を確認してから鍵を開ける癖をつけておく。
  • メイド、庭師、時にはガードマンが泥棒の手引きをしたという例もあるので、十分信頼できる者を雇う。
    雇用当初は、特に警戒心を持っておくことも必要である。
  • 家族の行動、居場所等を常に把握しておき、変更が生じた場合には必ず連絡を取り合う。

普段から不審な電話に注意し合い、電話機近くには緊急リスト、メモを常備する。

  • 自宅に多額の現金を置かない。また、旅券等の貴重品は金庫や厳重に鍵の掛かる所に保管する。
  • 夜間外出する場合は、室内の照明を点灯しておく等、不在に気付かれない工夫をする。
  • 長期間家を留守にする場合は、予め郵便物や新聞等の処理を近隣者や知人に依頼しておき、新聞受けから新聞等がはみ出して、不在が明らかにならないような工夫をしておく。
  • 泥棒の侵入に気付いた時は、速やかに警察に通報(警備会社への通報装置を利用する等)し、侵入者との接触を避ける努力をする。騒ぎ立てることにより、犯人が居直り強盗(殺人)に移行する例も多いことを知っておくこと。

*警報装置

一戸建ての家に住む場合に設置しておくと安心だが、これが万能でないことを知っておく必要がある。設置した体験者の話では、センサーが敏感すぎて自分たちが出入りする時に鳴り出したり、逆に不審者が入ってきた時に通報センターから何の連絡も無く、誰も駆けつけて来ない等の不便さがあると言う。ただ、夜間には、サイレンが鳴り出したり、投光器のような照明がつくので、泥棒や押し入り強盗に犯行を思いとどまらせる犯罪抑止力にはなる。

*カギ

誰でも物忘れはあり、カギも落とすことはありうるので、大家から預かったカギは、すぐコピーし、オリジナルは大事にしまっておき、普段はコピーした方を使うと安心。ドアの内側ボタンを押してドアを閉めたため中に入れなくなったり、カギを家の中に置いたままドアをロックしてしまうことも、よくあるケースである。

防止策:

①家の中でも、外出する時も、部屋のカギの置き場所を決めておく。

②セカンドホーマーのように夫婦で住む場合、お互いに声を掛け合って、外出する時は「カギは持った?」、帰ってきたら「ちゃんと定位置に置いた?」等と確認し合うと、夫婦間の会話にもなってよい。

③万一に備え、電話一本でいつでも来てくれる「馴染みのカギ屋さん」を近場で探しておき、電話番号を携帯に入れておく。

日々の安全情報

インターネットで入手できる日々の安全情報

大使館安全情報(http://www.my.emb-japan.go.jp/Japanese/index.htm

外務省海外安全ホームページ (http://www.anzen.mofa.go.jp/index.html)

NHKワールド海外安全情報(http://www3.nhk.or.jp/nhkworld/ja/safety/)