交通事情

交通事情
 
 
 

自動車


 
  1. ナビゲーションシステムは、携帯電話アプリや簡易型カーナビシステムがあるが、日本のものと比べてかなりシンプルなものである。Waze というアプリがよく利用されている。日本語の設定も可能なため使用しやすく、操作も簡単。
  2. 運転中にスコールに遭うことも少なくない。視界が遮られるほどの強い雨の中を運転せざるを得ないこともあるが、ハザードランプを点滅させながらゆっくり注意深く運転するしかない。スコールは長く続かないので、車を止めて待つ場所がある時は、雨が過ぎるまで待つのもよい。
  3. 強い雨が降っている時は、雷や豪雨のために大きな木が倒れてくることもあるので雨宿りする場合も安全な場所を選んだ方がよい。

免許証

  1. マレーシアで運転する場合、短期滞在の方は「国際免許証」を日本で取得して持参する。
     
  2. 就労ビザやMM2H等で長期間滞在の場合は、日本の免許証をそのまま持ってきて、在マレーシア日本国大使館で翻訳証明を発行してもらい、JPJ(道路交通局)で現地の免許証に即日、書き換えてもらうことができる。その際の在マレーシア日本国大使館で必要な書類は、パスポート、日本の運転免許証。JPJで必要な書類は、在マレーシア日本国大使館発行の翻訳証明書、パスポート、ビザ、日本の免許証とそのコピー、写真1枚(3.5cm×2.5cm)と手数料、申請書類(HPよりダウンロード可能)。(2018年2月JPJのHP)
    ※2018年9月24日以降、マレーシア政府は、外国運転免許証のマレーシア国内運転免許証への切替えを一時停止していましたが、現時点では、道路交通局(JPJ)のホームページ等には正式な通知は出ていませんが、切替え手続きは実施可能とのことです。詳細は、こちら (在マレーシア日本国大使館HP)
     
  3. マレーシアでの運転免許の取得は、実地、筆記の両方を行わなければならない。マレー語・英語を選んで受けることができる。英語の方が少し割高になる。自動車学校に支払う費用は、約RM2,000~RM3,000(2020年6月時点)
     
  4. マレーシアで運転免許を取得して一定期間以上滞在した場合は、日本の免許証に書き換えることができる。その場合は、マレーシアで発行された免許証を持って日本自動車連盟(JAF)の各県支部、または在日本マレーシア大使館へ行き、日本語訳の証明をしてもらう。その際に必要なものは、免許証、パスポート、本籍記載の書類、写真1枚(3.0×2.4cm)、手数料。
     
  5. 日本の免許証の有効期限については、十分注意する必要がある。免許証の有効期限が失効した場合は、海外に居たことが証明できれば、6ヶ月以内であれば学科試験と技能試験は免除で発行してもらえる。

交通ルールとマナー

  1. マレーシアの交通ルールとマナーは、基本的に日本と同じだが、よく見かけるのは、右左折の時にウィンカーを出さない車が多いこと。慣れてくるとレーンに並んでいる様子や挙動等でわかるようになる。
     
  2. 日本にはないシステムで「ラウンド・アバウト」という交差システムには最初は戸惑う。右回りのロータリーのようになっていて、右からの車が途切れた時に進入し、出たい方向でウィンカーを左に出して合図し、ラウンドアバウトから出る。ラウンドアバウト内にいる車が常に優先する。出るところをミスしたらもう一度回ればよい。ラウンドアバウトを通り抜ける時の表現は、時計の文字盤をイメージした言い方をする。例えば4分の3周回って右に抜ける時は「3時方向にターンする(3 O’clock turn)」と言う。
     
  3. わき道から通りに出る車は、日本では車が途切れてから入るのが常識だが、ここでは当然のように割りこんでくるので用心が必要である。
     
  4. 駐車禁止の場所に駐車していると、わずかの時間であってもレッカー車で持っていかれることがある。あとでわざわざ取りに行くのは時間も掛かり、費用も掛かるので注意が必要。
     
  5. バイクの運転マナーは決してよいとは言えない。どんな隙間にも割り込もうとする。対応策は、自分が進行方向を変える時にバックミラーをよく見ること、また急激にハンドルを切らないこと。朝の通勤時間帯等は、反対車線からバイクが列を成してセンターラインを越えて走行して来ることもあるので用心しなければならない。対応策は、通勤ラッシュの時間帯をさける、またはなるべく右車線に出ないことである。

自動車税

  1. ロードタックスは半年または1年毎で、JPJ(道路交通局)か郵便局で支払いができる。支払い証明書を車のフロントガラスの左下の目立つところに貼っておく。排気量によって金額が異なる。(1600ccで、1年RM90/ 2000cc 1年RM380/ 2500cc 1年RM880)。
     
  2. ロードタックスの有効期限が切れていると、保険が無効となるので注意が必要。 

自動車保険

  1. マレーシアでの強制加入は、対人保険だけであるが、車両保険・対物保険も加入を勧めたい。
     
  2. 保険の更新は、ロードタックスと同じ時にするのが望ましい。
     
  3. 保険加入の際は、車両登録証を提示し、付保内容を保険会社に伝え、保険金額を算定してもらう。
     
  4. マレーシアの損保会社の自動車保険では搭乗者保険の給付が60才以上は受けられない。60才以上が搭乗する時は東京海上等、日系でかけることになるが搭乗者保険を付けると保険料が2倍くらいになる。

自動車点検・修理

マレーシアでは車検制度がないので、車は自己管理をする必要がある。1年中気温が高く、タイヤやワイパーの消耗も早いので、定期的に点検するのがよい。国産の自動車や当地で組み立てている車は、部品も揃っているので、故障が起きても修理が早く、料金も比較的安い。日本から自動車を個人輸入すると、部品がないので修理に時間がかかったり、料金が高くなることがある。

自動車事故

  1. 万が一事故を起こしてしまった場合、相手の名前や住所、電話番号、免許証、IDカード、自動車登録証等を確認して、24時間以内に所轄の警察署に事故報告書を英文で提出する。
     
  2. 警察署で作成してもらう「ポリスレポート」は、自動車保険の場合の請求時に必要である。「ポリスレポート」が出た後は、賠償の交渉は保険会社に相談の上対応するのが望ましい。

詳しくは、交通事故・緊急連絡の自動車事故をご覧ください。

交通違反の種類と罰金・罰則

交通違反を犯すことは、自分だけでなく他人にも危険を及ぼすので、ひとたびハンドルを持ったら心して運転すべきである。 マレーシアでも減点制度があり、免許停止処分や免許取り消しもある。詳しくはJPJのホームページを参照。

運転中の携帯電話使用 :最高RM300
運手中のSMS*送信 :最高RM300(*携帯電話でのメール送信)
飲酒運転 :酩酊の程度によっては身柄拘束あり。裁判所の判決により、初回は最低RM2,000、2回目からはRM6,000
信号無視 :RM300
スピード違反 :RM300以上(超過スピードにより)
無理な追い越しや危険な運転 :最高RM300
左車線からの追い越し   :RM300
ダブルライン(二重線)無視 :RM300
緊急車線での理由なしの駐車 :RM300

ガソリンスタンド

  1. ペトロナス・BHP・ペトロン・シェル等のガソリンスタンドが街の至る所に在り、給油には困らない。24時間営業のところもある。キオスクと呼ばれるコンビニが併設されているスタンドが多く、ちょっとした買い物にも便利。
     
  2. ガソリンスタンドは、基本的には自分で給油する方式であるが、スタッフがサポートしてくれる所もある。
     
  3. 価格は週単位の変動制であるが、依然として日本円に換算すると安い。
    価格は、RON95がRM2.05/ℓ 、RON97はRM3.37/ℓ  (2023年6月12日現在)。
     
  4. ガソリンスタンドには、洗車や修理サービスのあるところが多い。タイヤの空気注入はセルフサービスで無料。
     
  5. ガソリンスタンドにATMを併設しているところも多く、看板に取扱銀行のロゴが表示されている。

タッチアンドゴーとスマートタグ

ハイウェイではトールゲートと呼ばれる料金所がある。現金での支払いはできず、青色レーン「タッチアンドゴー」または黄色のレーン「スマートタグ」で支払いを行う。どちらもプリペイド式の同じカードで、青色の方は読み取り機に直にカードをタッチさせ、黄色の方は車の中から発信機を差し向けるだけでゲートが開き通過できる。

タッチアンドゴー(Touch’nGo)

購入場所は、高速料金所付近の同カード販売所・ガソリンスタンド・売店など。購入時に、住所・電話番号・パスポート番号が必要。カード発行時には、手数料のRM10と入金(最低RM10)が必要。ガソリンスタンドなどでトップアップ(入金)ができる。「Tambah Nilai(金額追加)」と表示されているトールブースでもトップアップ可能。

病院やショッピングセンターの駐車場でもタッチアンドゴーが利用でき、出口で支払いに時間がかからず便利である。また、電車・バスの乗車券も自販機で買わず、改札口でカードをタッチするだけで通過できる。一人一枚持っていると大変便利なカードである。

スマートタグ
高速の料金所のみで使える機械。タッチアンドゴーのカードを差込み使用する。

バス

  1. 日本と同様、バスの前面とサイドに路線番号と行き先や経由地が示されている。
     
  2. バス停は、屋根つきでわかりやすいが、乗客が乗る意志を見せないとバスが停車しないこともあるので注意が必要。
     
  3. 中・長距離バスは、高速道路網が整備されているので、クアラルンプールを基地にして各都市へ便利に行くことができる。料金も日本と比べて格段に安く、トイレ付きで快適なバスの旅ができる。要所要所に近代的で清潔なドライブインが配置されている。

*バス利用についてのヒント
クアラルンプールの庶民の足であるが、最近車両や路線の整備が進んで日本人旅行客・滞在者も積極的に利用する人が増えてきた。とはいっても、日本の都市のようにどこにでもバスで行けるほど路線網ができていない。バス利用のコツは、自分の行動範囲の中で便利な特定の路線を見つけておいて、点と点の間の利用から始め、徐々にレパートリーを増やしていくことだろう。下記の例示に加え、他にも数多くの路線があるので自分の行動にあった路線を活用するとよい。

最大規模のRapid KL社は、政府出資の会社で、LRT、MRT、160路線以上のバスを運行。この他、Metrobus、Len Seng、Pertama Kiara、Selangor等の民間バス会社がある。

Metrobus等民間のバスは、Rapid KLの隙間をうめる役目をしていて家の近く等利用しやすい場所に多く走っている。行き先がわからない時は遠慮せずにバスを止めて行き先を言うとYes,Noをいってくれるし、目的地で降ろしてくれる親切な運転手が多い。

ここでバスの路線番号の頭についているアルファベットの文字の意味を解説しておこう。

  • B(Bandar=市街地):シティシャトルと呼ばれ、クアラルンプール中心街のシティ・ハブ同士を結ぶ。
    シティ・ハブは①パサラマコタ(Pasaramakota)、KLセントラル(KL sentral) ②ブキビンタン(Bukit Bintang)、マルリ(Maluri) ③KLCC ④ティティワンサ(Titiwangsa)、チョウキット(Chow Kit)。市内の移動に便利。
  • U(Utama=主要):市の中心から市の周辺の主要地点に出る幹線バス。これも便利。
  • T(Tempatan=地域):U-バスの外側の地域ハブから、地域内の各バス停を結ぶ。住宅地から地域ハブや電車の駅に行くのに便利。
  • E(Ekspres=急行):ちょっと遠い近郊地にいく急行バス。行き先は、プトラジャヤ(Putra Jaya)、カジャン(Kajang)、クラン(Klang)等

GO KL
KL市内を走っている無料バス。5分から10分間隔で走っている。観光に便利。

タクシー

  1. 車の屋根に「TEKSI」とマレー語で示されている。
     
  2. タクシー乗り場やホテルから乗るか、電話で呼ぶことができる。
     
  3. 日本と比べると格段に安いが、少々運転が荒っぽいと感じる場合がある。
     
  4. タクシー運転手に割高な料金を提示されることもある。不安な方はタクシークーポン券売り場でクーポンを買う。KLセントラル(ヒルトン側)、KLCC(伊勢丹側)、タイムススクエア(正面)等にある。
     
  5. 現在では、Grab の無料アプリを利用してタクシーを呼ぶことが多くなった。乗車位置と目的地を入力すると値段(高速代は別)が表示される。ドライバーの名前・電話番号・車のナンバーも表示されるため安心。

電車


 
  1. KLセントラル(KL Sentral)駅を中心にして「LRT」と「KTM」 「MRT」、「KLIAエキスプレス」、「KLモノレール」が運行されており大変便利である。
    KL近郊の全体の路線図は、こちら
    KTMのウエブサイトは、こちら
     
  2. 「マレー鉄道西海岸線」や「イースタン・オリエンタル・エクスプレス(Eastern & Oriental Express)」も発着する。
     

航空

クアラルンプール国際空港(KLIA)
「森の中の空港、空港の中の森」をコンセプトに黒川紀章氏が設計し、3,000億円近い巨費をかけたガラスと鋼鉄の近代的建造物は、1998年に開港した。クアラルンプールの南西50km、Sepang(セパン)にある。

KLIA2
2014年5月に格安航空機専用のターミナルKLIA2がオープン。KLIA2は国際線格安航空会社:エアアジアXのメイン空港。エアアジア以外にもたくさんの格安航空会社が運航している。

クアラルンプール国際空港から市内への行き方

  • KLIAエクスプレス
    電車ではKLIAエクスプレス(片道RM55)が便利。KLIAからKLセントラルまで28分、KLIA2からは32分で到着する。始発は、KLIA2を4:55で最終は0:55。朝夕のピーク時は20分間隔、それ以外は30分間隔で運行されている。
  • エアポートコーチ
    KLIAからKLセントラルまでのバス。オンラインでも購入することができる。KLIAからは5:30~1:30の間、KLセントラルからは5:00~24:00の間に30分間隔で出発。所要時間は約1時間。
  • スカイバス
    KLIA2からKLセントラルまでバス(片道RM11)。30分間隔で運行、所要時間は約1時間15分。ワンウタマショッピングセンター行きのバスもある(片道RM15)。バスの運行スケジュールは、スカイバスHPのスケジュールをご確認ください。
  • エアロバス
    KLIAとKLIA2からKLセントラル等にいくバス(片道RM11)。オンライン購入は割引が適用される。KLIA2を1:00~24:00出発、KLセントラルを2:45~22:45出発。20~30分間隔。所要時間は約1時間。 その他に、スターシャトルやジェットバスなどがある。

 

タクシー
タクシーは到着ゲートの手前のタクシーカウンターで行き先と車種、人数と荷物の数を伝えクーポンを購入する。市内へは、Airport LimoのBudget Taxiを利用するのもよい。荷物や乗車人数にあわせて、車を選ぶことができる。

一般のメータータクシーもメータープラス高速代で市内までRM60~80程度で利用することが出来る。渋滞の場合は、料金が上がるので注意が必要。一般タクシー専用の乗り場があり、そこで利用料としてRM2を支払う。市内から空港へ向かう場合のみRM12の特別料金も支払う必要がある。

クアラルンプールシティーエアターミナル(Kuala Lumpur City Air Terminal - KL CAT)
KLセントラル駅のクアラルンプール シティ ターミナルでは、KLIAのメインターミナルに乗り入れる下記航空会社のチェックインが可能。

  • マレーシア航空(Malaysia Airlines)
  • キャセイパシフィック航空(Cathy Pacific Airways)
  • ロイヤルブルネイ航空(Royal Brunei Airlines)
  • エミレーツ航空(Emirates)
  • エティハド航空(Etihad Airways)

 

SkyPark Subang Terminal, Sultan Abdul Aziz Shah Airport(スカイパーク スバンターミナル)
以前はスバンエアポートといわれていた。マレーシア各地・シンガポールへの路線を運行している。空港シャトルバスは、KLセントラル行きとKLIA/KLIA2行きがあるが2時間ごとと本数が少ない。タクシーが便利(市内~所要時間約40分)。空港からのタクシーに乗る場合は、タクシーチケットを空港内のカウンターで購入する。空港へは、LRTでクラナジャヤ駅まで行ってそこからタクシーか路線バスに乗ると安く行くことができる。