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JCKLニュースレター
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今月の写真
<Hari Raya Aidilfitri の飾り付け>
イスラム教徒にとって大切なラマダン期間が過ぎると、待ちに待ったお祝いの日がやってくる。それがハリラヤ アイディルフィトリで、マレーシア全土がお祝いムードに包まれる。「ハリラヤ」はマレー語で「祝いの日」を意味する。
写真は4月中旬にKL市内のショッピングモールで撮影した一枚。
イスラム教で聖なる色とされる緑をベースに、ハリラヤ アイディルフィトリの風物詩「クトゥパッ」を模した装飾やマレーフードの特大オーナメントなどでこのハリラヤを紹介している。立ち止まってセルフィーを撮る人もそこかしこに。
ショッピングモールやホテルなどの商業施設では、吹き抜けを利用した豪華なディスプレイを見られるところが多く、お祝いムードを盛り上げるのに一役買っているといえるだろう。
イスラム国家に住む私たちもラマダンとハリラヤ アイディルフィトリを理解し、マレーシアで最も待ち望まれるこの日を共に祝おう!
イスラム暦の9月を指し、1ヶ月にわたり日中の断食を行う。そしていつも以上に熱心に祈り、過去の過ちの赦しを請う期間とされている。
イスラム暦は純粋太陰暦 (1年は約354日) で、ラマダンの時期は毎年約11日ずつ早まっていくためすべての季節を通過することになり、世界中に住まうムスリムにとって公平であると考えられている。
断食のことをマレー語で「プアサ」と言う。この期間は、地平線に夜明けの光が差したとき (日の出より1時間以上前) から日没まで、水を含めたいっさいの飲食を避ける。
マレーシアでは午前5時55分頃~午後7時20分頃までが断食時間となるため、いつも以上に早く起き、5時半頃に朝食を済ませる。この期間の食事は、夜明け前と日没後の2回。
2020年ラマダン期間 (CMCO中) の金曜礼拝@KL市内のモスク
自宅でもメッカの方角に向かって祈りを捧げる
日没後に最初に取る食事のことで、家族や同僚など大切な人と食卓を囲む。
モスクへ手料理を持ち寄ったり、経済的に豊かな人が食事を提供したりする。
夕方にはブカ プアサ用の食べ物が販売されるが、非ムスリムも購入可。
MySejahteraで入場登録
炭火で焼くサテーなどが人気
マレー菓子も多種多様
スケジュール
Aさんの場合
4:30am 朝食の準備、沐浴
5:45am迄に朝食を済ませる
5:55am お祈り①
7:00am 出勤
1:20pm お祈り②
4:20pm お祈り③
6:00pm 帰宅、沐浴
7:20pm 食事、お祈り④
8:30pm お祈り⑤
10:00pm 就寝
コロナ禍による規制や自粛により、会いたい人に思うように会えなかったこの数年間。親族との繋がりがとても強いといわれるマレーシアンにとって、今年のハリラヤ アイディルフィトリの大型連休は親族が一堂に会する待ちに待った大切な日になるに違いない。
ハリラヤ アイディルフィトリ初日の挨拶「サラーム」
手を握りながら過去の過ちへの謝罪の言葉を掛ける。思い当たることがなくても、知らずに傷つけたことがあるかもしれないからだ。「サラーム」は時間帯を問わず使われる挨拶だが、この日には特に謝罪の気持ちを表している。
食前の祈り
街中いたるところに装飾が施される
衣服の新調
新調した伝統衣装を着用して男性はモスクを訪ねる。家族全員分を同じ布でオーダーメイドしたり、親族でその年の色を決めて揃えることも多い。男性は「バジュ・マラユ」、女性は「バジュ・クルン」を着用し過ごす。
ハリラヤ アイディルフィトリの食卓
いいえ。
衣装の新調、故郷への帰省、グリーンパケットと呼ばれるぽち袋を渡す風習、その盛大さからムスリムのお正月と思われがちだが、新年はハリラヤ アイディルフィトリから3か月後にやってくる。2022年は7月30日の「アワム ムハラム」という祝日がその日にあたるが、一般的に親族で集まることも特別な会食も飾り付けもしないそうで、正月感、祝祭感は薄いようだ。
ハリラヤ アイディルフィトリが最も大きな年中行事であることは間違ない。
この時期には、オープンハウスと呼ばれる食事会を開く習慣がある。親族や友人など日頃お世話になっている人たちを招いて食事を振る舞い共に祝うのだ。断食が明けてから約1ヶ月にわたり企業・団体、個人が思い思いに開催するため、付き合いが多い人ほどたくさんの招待を受け、忙しくも楽しい月となる。イスラム教の「裕福な人は富を分け与える」という教えを実践する人が多い証拠でもあり、手料理でもてなしたり、ケータリングを利用したりする。
また、王宮や首相官邸などでも例年オープンハウスが開催されている。宗教、文化の違いを理解し認め合う寛容なこの国では非ムスリムにも門が開かれており、一度参加してみるのもよい経験になるだろう。
同僚や友人を自宅に招くことも多い
屋外にテントを張ったオープンハウス
得意先や関係者を招いた大規模なオープンハウス
Duit Raya (グリーンパケット) を子どもたちに配る
クエ ラヤ
クエはマレー菓子のことで、クエ カペ (薄焼きロール)、クエ ゴヤン (花形)、バフル (カステラ)、パイナップルクッキーなど、日持ちする甘いお菓子が多く、飲み物はローズシロップジュースが定番
民族衣装を着用してもよいが、スマートカジュアルで問題ない。
たくさん食べ、楽しい時間を共に過ごすことが何より喜ばれるので、気負わず出かけてみよう。
婦人部かとれあ会
【2021年度 ドネーション贈呈式開催】
2022年4月14日に、日本人会会館とオンラインでマレーシア側の施設・団体を結び、2021年度ドネーション贈呈式が開催されました。昨年12月に開催された第49回日本人会チャリティバザーやかとれあKioskでの収益金や寄付金のうち、本年度は51,400リンギをマレーシア国内11箇所の福祉施設及び団体に贈呈いたしました。
贈呈式はかとれあ会名誉会長である髙橋大使夫人ご臨席のもと、画面越しではありますがマレーシア側の代表の方々の感謝の言葉と笑顔あふれる中で厳かに進行しました。かとれあ会役員は、チャリティにご協力くださった皆様の善意がマレーシア社会福祉活動の一助として、充分に活かされていることを再確認いたしました。
この贈呈式をもちまして、2021年度のかとれあ会の活動はほぼ満了となります。この場をお借りし、2021年度役員一同より心からの御礼を申し上げます。
かとれあ会名誉会長 髙橋大使夫人
KL日本人会慈善基金会長 DATO RAHIM
福祉施設代表者等、オンラインで参加された皆さん
【福祉施設からのご挨拶】
Dayspring代表 Ziipsy園長ご挨拶 (要約)
Dayspringは、かとれあ会の1998年からの献身的なサポートにより、学習障がいを有する学生を助ける数々のプログラムを成功に導くことができたことに大きなご恩を感じています。コロナ禍でありながら私どもを継続してご支援くださっているかとれあ会名誉会長 髙橋大使夫人はじめかとれあ会の皆様と日本人会の皆様の高潔な努力、犠牲にされた時間によってもたらされた思いやりあるご支援に感謝申し上げます。
【2021年度寄付先福祉施設・団体一覧】
- Asrama Cahaya Rumah Wanita Cacat
ブキナナス身障者施設 - Montfort Boys Town
モンフォートボーイズ職業訓練校 - Pusat Jagaan Kanak-Kanak dan Dewasa Istimewa Ampang
アンパン知的障がい児訓練センター
(formerly known as Persatuan Kanak-Kanak Istimewa Ampang, Selangor) - Persatuan Kebajikan Than Hsiang Mitra Malaysia -Old Folks Home
タンシアン福祉老人ホーム - POBP Dayspring training Centre
デイスプリングクラン障がい児訓練センター - Spastic Children's Association of Selangor
PJスパスティックセンター - St. John Ambulans Malaysia-Kawasan Pantai Selangor
マレーシアセントジョンズ救急車 - The Pure Life Society
清心者孤児院 - United Voice
ユナイテッドボイス学習障がい者自己啓発協会 - Yayasan Kebajikan SSL Haemodialysis
修成林福祉人工透析センター - New Beneficiary 新規寄付先
【かとれあ会役員リレーコラム】
2021年度かとれあコラムの最後を飾るのは、書記の八巻綾子さんです。八巻さんはバレエ仕込みの華麗な振る舞いと広い見識で、いつも皆より一歩先で人生を謳歌している人です。この春の本帰国後のご活躍も目に映るようです。
どうぞお元気で!
昨年11月にかとれあ会の役員で寄付先施設を訪問しました。目的は、チャリティバザーの収益金等を寄付する施設が寄付先に相応しい施設かどうか、寄付した物は正しく使われているのかを確認することです。モンフォートボーイズ職業訓練校とは、その中で私が感銘を受けた施設の1つです。
モンフォートはクリスチャンが設立した施設で、家庭環境の悪い16〜19歳の男女を2年間預かり、生活リズムを整え、掃除・身の回りの整頓の仕方や基本的な勉強を教え、職業訓練、就業斡旋までを行っています。家庭環境が悪いというのはDV、親が薬物やアルコールの中毒、貧困のために学校へ通わせられない等で充分に教育を受けられない状況のことです。どれも彼らには何の非もなく、どうしようもできない類の問題ばかりです。施設内を案内してくれた先生に、たった2年でそんなにもたくさんのことが彼らにできるのか、と尋ねてみました。すると先生は立ち止まり、真剣な眼差しで、私たちができると信じなくては他の誰が彼らを助けてあげられるんだ、と言いました。ここから巣立った子どもたちは、ベーカリー、ホテルの従業員、電気技師、車の整備士、グラフィックデザイナー等になります。この施設は子どもたちの未来を創ります。この施設の意味はとてつもなく大きいと感じました。
こんな素晴らしい経験ができ、このご縁に感謝しています。人は基本的に他の人の役に立って幸せを感じるようにできていると何かで読みました。マレーシアでボランティア活動に関われるなんて、みなさん、かとれあ会役員になるのオススメですよ。
大使館からこんにちは
< 新型コロナ対応の思い出>
在マレーシア日本国大使館
経済部 宮坂知幸
新型コロナウイルスの流行が始まり、早2年が経過しました。寄稿時点 (4月中旬) での新規感染者数は連日まだ1万例弱と高値ではあるものの、一時よりは大きく落ち着きを取り戻しています。しかし、4月からの国境再開や新たな変異株の出現、ラマダン・ハリラヤなどのイベントが感染拡大にどのように影響するかは定かではなく、今後の感染動向に予断はできません。在留邦人の方々におかれては、引き続きの感染対策にご留意をお願いします。
さて、皆さんと同じく当館もこの2年間、新型コロナへの対応に苦慮してきました。日々のHP更新や深夜の領事メール、ロックダウン下でのマレーシア政府への様々な申入れなど、この期間はまさに激動といえるものでしたが、この2年を振り返り、当方 (厚生労働アタッシェ) の視点から、これまでの新型コロナ対応に係る思い出を2つ、ご紹介したいと思います。
2020年3月、ロックダウンにより無人になったKLCC公園
【無症状・軽症者用ケアセンター (PKRC) からの移送】
2020年冬、PKRCに搬送された邦人の方から支援連絡がありました。曰く、シャワーはおろかトイレにすら気軽に行けない非衛生的で過酷な環境に搬送されており、大変参っているとのこと。大前提として、日本人にだけ過剰な優遇措置をマレーシア側に求めることは難しく、基本的には【郷に入っては郷に従え】の考えでいますが、添付された写真を見るに、確かにマレーシアに慣れている人であったとしても相当に過酷な環境にあるようです。そこで、まずは保健省に相談してみます。すると「同センターの指示系統は我々から遠く支援するにしても時間がかかる」と言います。しかし、時間がかかっては困るので、どうにかならないかと引き続きお願いすると「現場責任者の連絡先を教えるから後は直接聞いてみてくれ」とワッツアップの番号が送られてきました。本来であれば中央政府で調整頂ければ良いのですが、非常時にはイレギュラーな対応になるのもやむを得ません。すぐに電話します。いきなり電話してきた大使館員に先方は少し訝しんでいたかも知れませんが、事情を説明すると理解してくれ、すぐに別のセンターへ移送、事なきを得ました。マレーシアでは正攻法だけに拘らず、色々なルートを使って調整することが肝要と学びました。
PKRCの一例
【入国時陰性証明書の取得免除】
2020年初夏、日本では海外渡航目的での陰性証明取得が難しい状況にある中、保健省は、外国人に対する渡航前陰性証明書の取得義務付けを発表しました。保健省の立場として、感染対策の観点から水際対策を厳しく管理することは当然の姿勢であるものの、このままの規制が維持されてしまうと、日本からマレーシアへの必要な往来も難しくなってしまいます。これを受け、大使からノルヒシャム保健省医務技監への申入れなど、当館から保健省に対し累次に亘り、日本の状況を丁寧に説明し理解を求めたところ、保健省は「事前検査又は到着時検査のいずれかを課す方向で検討してみる」と応答してくれ、実際、7月には入国ガイドラインを「事前の検査が難しい場合は到着時検査でも可とする」と日本の状況に沿った改定がなされました。マレーシアの人々の健康を守ることを是とする保健省にとって、水際対策を緩和する方向での改定は難しい決断だったと思います。この他にも、コロナ禍においてマレーシア政府が厳しい措置を突然導入することはままありましたが、我々の状況にもしっかりと耳を傾け、都度、柔軟に対応してくれていることに感謝しています。
上記以外にも、この2年間で記憶に残る経験はたくさんありますが、感染の落ち着きに伴い、仕事の内容は平常運転に戻りつつあります。新型コロナで培った友好関係を活かしつつ、今後も厚生労働分野での協力関係を深めていければと考えています。
<揚げ豆腐の豆苗あえ>
料理講習会講師 ちはる
ローカル豆腐には木綿豆腐より身がしっかり詰まった硬いタイプのものがある。その特性を活かして美味しい揚げ豆腐のおかずを作ろう。
この硬めの豆腐は水切りが不要で、片栗粉はまぶすというより強く押し当てながらしっかり付けることがポイント。そうすることで厚い衣になり、揚げた後に皮は硬めなのに中はふわふわの食感の揚げ豆腐になるのだ。
あえるソースにはとろみを付けず、さらっとしたソースがこの分厚い衣にいい具合に染み込み、美味しく出来上がった。
- 豆腐 2個 約150-200g
- 豆苗 50g
- 人参 20g
- 玉ねぎ 10g
- 赤いチリ (お好みで)
- 缶詰のツナ 60g
- オイスターソース 大さじ1
- ローカル醤油 中さじ1
(もしくは日本の薄口醤油) - 酢 大さじ1
- 砂糖 大さじ1強
- 塩 少々
- 水 大さじ2
ソースは混ぜ合わせておく
豆腐はサイコロ状にカット
*作り方
①豆腐は水切りせず、塩・胡椒を少し振って混ぜる
②豆腐を片栗粉に強く押し当てながら、6面全体にたっぷり付ける
③中火の油で2-3分揚げ、下面がきつね色になったらひっくり返して数分。さらに混ぜながらよく揚げる
④全体がきつね色になったらキッチンペーパーに乗せておく
⑤フライパンに油を小さじ1入れ、玉ねぎと赤チリを数分炒める。人参を入れて1-2分
⑥豆苗を入れて軽くかき混ぜた後、ツナ60gと缶汁を大さじ1入れて炒める。ツナはざっくりほぐす
⑦全体に火が通ったら、合わせておいたソースを入れる
⑧豆腐を戻し入れ、豆腐を崩さないように軽く混ぜ合わせたら完成
今月の漢方
<マレーシアの草餅>
国際中医薬膳師/中医実習生 坪井良和
この時期、どうにも食べたくなるのが草餅。小さいころ母とヨモギを摘みにいって家庭でよく作ったものだ。ヨモギはマレーシアにも自生していて、薬用にも食用にも使われる。ヨモギはお灸のもぐさや天然の止血剤としての外用以外に、体を温め、血の循環を良くしてデトックスを促す効果がある。マレーシアンチャイニーズは、主に客家系の料理だがヨモギの若芽を卵焼きやスープなどにしたり、冷え性や婦人病、産後ケア用に内服薬や足湯として使うことが多い。
パンダンリーフと当地で人気のパンダン レイヤーケーキ
マレーシアで見かける緑のスイーツといえば、その着色原料は主にパンダンリーフ。すりつぶした汁はきれいな緑色に発色し、さわやかな甘い香りが残るので、ケーキやクエ (マレー菓子) はもとより、ナシレマのご飯の香りづけにも使われる。
抗酸化作用、抗菌作用、デトックス、消化を助け体の余分な熱を取る働きがあるとされ、さらにハエなど害虫への防虫効果もあるので、一家に一株あるとなかなか重宝だ。
鶏屎藤という植物とその葉を使った蒸し餅
そして、もう一つのマレーシアの草餅。私の好きな餅菓子の一つで、ローカルハーブ講座で真実を知るまでヨモギ餅だと信じて疑わなかった「鶏屎藤(ケイシトウ)茶菓」。実は、鶏屎藤 (日本名:ヘクゾカズラ) という植物の葉を練りこんだ蒸し餅である。「鶏屎藤」という名前の由来はその匂いからで、生の状態だとまさに鶏糞のような匂いがする。ただし、この匂いは加熱すると完全に消えてしまい、色は草餅よりもすこし黒味がかった深い緑をしている。
中国南方ではまさに日本のヨモギ餅のようにお墓参りのシーズンに欠かせない菓子だが、マレーシアでは日陰の道端や山肌などに一年中自生しているのでいつでも楽しめる。薬効に優れ、消化を助けるだけでなく、血液をサラサラにし、皮膚病の改善や関節の痛みをとる効果がある。
マレーシアの伝統料理には民族を問わず植物の葉をうまく利用したものが多い。植物そのものを刻んだり練りこんで作るだけでなく、包んだり下に敷いたりしてから料理することで、取り扱いや保存に便利なだけでなく、香りや見た目も楽しめる。ハリラヤ アイディルフィトリが近づく時期は、マレーシア各地の美食がKLにいながらでも食べられるようになり、毎年とても楽しみだ。
えっ!マレーシア
<Hari Raya Aidilfitriの時期にだけ沿道に現れる屋台>
ハリラヤ アイディルフィトリの時期になると、道端でモクモクと煙が立ちのぼる屋台を見かけるようになる。あれは何だろうと気になっている方もいらっしゃるのでは?
青竹にもち米を詰めて炊く伝統料理「レマン」
あんなに煙を立てて何を焼いているのかというと、レマン (Lemang) と呼ばれる竹筒入りのもち米である。ココナッツミルクに浸したもち米を青竹に詰め、炭火で蒸し焼きにしたもので、竹に直接もち米を入れると竹のよい香りが、バナナの葉を丸めてから竹筒に入れるとバナナの葉の香りが楽しめる。このご飯にレンダン (牛肉や鶏肉をスパイスとココナッツミルクで煮込んだ料理) を添えていただくのがハリラヤ アイディルフィトリの定番メニュー。お隣のタイにも「カオラーム」というもち米の竹筒焼きがあり年中販売されているけれど、ここマレーシアでは特別な日にいただくご馳走なのだ。
美味しく炊き上げるには青竹の位置を変えながら火加減を調整するのだが、米を焦がすことなくふっくらモチモチに仕上げるにはかなりの経験が必要だろう。機会があれば、香り豊かな炊き立てを味わってみたい。
JCKLニュースレター
【編集委員】
- 柳井教男(編集長)
- 川村延義(副編集長)
- 熊谷敦子(副編集長)
- 水田加代子(編集委員)
- 森真由美(編集委員)
- 矢内理砂子(編集委員)
- 安松英子(かとれあ会)
- 井谷百合子(かとれあ会)
*掲載の内容は変更が生じる場合があります。
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