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令和六年のKL日本人会新年会が1月13日(土)に開催され、ご来場の会員の皆様と新年を祝うことができました。
開会式は新春の琴演奏で始まり、鏡開き、乾杯、和太鼓演奏と続き、お正月遊びとして福笑い、手作り絵馬、もちつきなどを行い、日本のお正月の雰囲気を味わっていただきました。屋外では、日本風の屋台が多数並び、ライオンダンスが登場するなど、賑やかで楽しい新年会となりました。

開会式


鏡開きと乾杯
(左から) 澤村JACTIM会頭、髙橋大使、白石JCKL会長


新春の琴演奏  「春の海」


KL日本人学校幼稚部の園児たち


和太鼓翔  「紅蓮華」の演奏

 

キッズコーナー・体験コーナー


福笑い
目をつぶって、顔に目鼻を付けていく…なかなかうまくいかなくて大笑い


手作り絵馬
辰年の絵馬風の紙を貼りお願い事を書いて、好きなシールでデコレーションもしました


ヨーヨー釣り
家族や友だちで作戦を立てながら、そーっとすばやく釣り上げます


お茶席
会館内の茶室で、茶道部表千家の皆さんにご対応いただきました


もちつき
初めて持つ杵の重さにびっくりしながら、ぺったんぺったん


アマチュア無線の交信
初めてふれるトランシーバーにドキドキ…離れた相手と交信して「あ!聞こえた聞こえた!」


合気道
初心者にはまず受け身の練習から。練習していくと、次第に思い切り体を動かしていけるように

 

部・同好会によるパフォーマンス


邦楽演奏同好会
大きな和楽器から繊細で美しい音色が響き渡ります


杖道・居合道同好会
居合道とは、日本刀を用いて型を演舞する日本古来の武士道


キッズヒップホップダンス同好会
踊り始めると緊張も和らいで笑顔に!元気いっぱいのダンスに拍手喝采!


KLフラハイビスカス子ども同好会
音楽にのって心安らぐ南の風を届けます


KLフラハイビスカス同好会
鮮やかなブルーのドレスで、優雅なダンスを披露


マハロ ウクレレ同好会
「スタンド・バイ・ミー」や「未来へ」などを演奏、一緒に口づさむ観客もいました


MKゴスペルクワイヤ同好会
リズミカルな歌声と観客の手拍子が一体となって、会場は明るいムードに


ラインダンス同好会
軽快なステップと息の合った踊りで、華やかにステージプログラムを締めくくりました
 

展示コーナー
 


書き初め
KL日本人学校の児童・生徒による新春書き初めをロビーに掲示しました


生花<草月流>
松、竹、葉牡丹、水引などでお正月のめでたさを表現し、黄色の洋蘭が華やかさを添えます

パッチワークキルト同好会
バッグ、ポーチ、コースターなどの小物、タペストリー等たくさんの作品が並びました

書道部
昨年は部員が増えて、毎週の練習にも力が入り、立派な作品が完成しました

絵画部
絵画部の作品は、一階と二階の廊下に常時掲示されていますので、ぜひご覧ください

 

屋台でひと息


今年の新年会は、駐車場に日本食を中心とした屋台が多数並びました。飲食スペースでは、ご家族やお友達と屋台メニューを囲んで、にぎやかに談笑する姿がたくさん見られました。

炭火で柔らかジューシー!串焼き

焼きたてアツアツ!お好み焼き

甘酒やぜんざい、焼き芋など日本の甘味いろいろ

苺たっぷり!かきイチゴ

この日だけの特別価格で販売された商品もありました

お天気にも恵まれ、ドリンク類も大好評でした

来場者の皆さま

屋台の美味しい料理を堪能しながらガールズトーク♪

ご夫婦で仲良く乾杯!冷えたビールが美味しい

マレーシアの良い思い出ができました

JSKLの先生の掛け声とともに、もちつきを体験されたご兄弟

着物でおめかししたお子さんたちは初めての新年会参加とのこと。絵馬を手に記念撮影

ヨーヨー釣りと手作り絵馬を楽しみました

 

新年会実行委員長からご挨拶

 

実行委員長  飯塚隆史

令和6年のKL日本人会新年会は、2024年1月13日に無事開催することができ、大きな事故も無く無事終了することができました。第29回の開催となりましたが、天気にも恵まれ来場者数は1,200名強と前年を上回る来場者となり、より多くの会員様に喜んでいただけたのではないかと実感しております。開催に向けて準備に携わって頂いた実行委員の皆様、事務局の皆様、当日の運営に携わって頂いたボランティアの皆様含め全ての方々へこの場を借りて御礼申し上げます。本当に有難うございました。
今年度は、ライオンダンスの賑やかな演舞から、館内では艶やかな琴演奏で始まり、和太鼓翔とキッズダンスのコラボパフォーマンス、感動の作品展示、JSKL児童・生徒の書き初め展示に加え、ヨーヨー釣り、絵馬づくり体験、お茶席 (表千家)、もちつき体験など伝統文化と多様性を組み合わせた多くの演目や演出シーンが貴重な体験として皆さまの記憶に残ることと信じております。
私は新年会実行委員長として2回目の運営・参加となりましたが、新年会というのは世代を超えて大切なリアルなふれあいの場であり、心に残る体験ができ、あふれんばかりの笑顔が次の時代へ受け継がれる、変化と経験が織りなす伝統的で貴重な会であると実感いたしました。
皆様のお力を借りながら来年はさらに素晴らしい新年会にしていくよう努力いたします。今後もKL日本人会へ温かいご支援とご協力を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。
最後に2024年が皆様にとって良き年になることを心からお祈りいたします。

 

 

◇新年会にご協力いただいた方々◇
AEON Co. (M) Bhd
AEON Credit Service (M) Bhd
Berjaya Sompo Insurance Bhd
Hibari Clinic
Hong Leong Assurance Bhd
MSIG Insurance (Malaysia) Bhd
SECOM (Malaysia) Sdn Bhd
かとれあ会役員
クアラルンプール日本人学校
KL日本人会クラブ活動 (部・同好会)
在マレーシア日本国大使館
帝京マレーシア日本語学院
その他ボランティア

以上、多くの方々にご協力いただきました。
厚く御礼申し上げます。
第29回新年会実行委員会

 

辰年は運気が上昇して夢が叶いやすい年と言われます。天まで届く勢いで成長する…そんな一年になるよう願いを込めて、干支を飾ってみてはいかがでしょうか。



 

 

今月の写真<中国正月の飾り>


今年もやってきた街中が赤く染まる季節、チャイニーズ・ニューイヤー。どこのショッピングモールでも競い合うように、赤と金色で輝く巨大な飾りが店内の広場にお目見えする。ミッドバレーにあるザ・ガーデンズ・モールでも、古き良き中国の生活を回顧させる美しい中国正月ディスプレイが登場した。モールのメインストリートには、ボックス型の展示がいくつも並び、それぞれ中国風の家の一室や店内などをリアルに再現している。ボックス内部に設えられた椅子に座って写真が撮れるようになっていて、家族や友人と記念撮影する人もいれば、その部屋の主を演じて撮る人もいて、おもしろい。

写真の一室に見えるのは、中国正月の縁起物である蜜柑や、真紅の紙にめでたい文字を記した「春聯 (チュンリエン) 」。マレーシアでも中華系の人が住む家の玄関には、この春聯が飾られているのを見かけることがある。クラシックな壁掛け時計や黒電話、レトロな花模様が可愛らしいステンレスのランチボックスを見ていると、なぜか懐かしい気分になるところが不思議だ。

 

 


婦人部かとれあ会


【寄付先福祉施設の訪問レポート】

 

ブキナナス身障者施設 (Asrama Cahaya Rumah Wanita Cacat) への
クリスマスプレゼントの贈り物

ブキナナス身障者施設は、女性の老人ホームで、約40人の入居者がシスターとともに共同生活をしています。1970年代から、かとれあ会と当該施設は、ボランティアを通じて深いつながりを築いています。

昨年12月、ブキナナス身障者施設のボランティアの方々とかとれあ会の亀島会長がクリスマスプレゼントを届けました。毎年、日用品などの消耗品を寄付しており、昨年は食品を提供しました(写真右)。施設の方々からはクリスマスプレゼントについて、感謝の言葉をいただきました。

施設外観

クリスマスプレゼントをお贈りしました

 


【かとれあ会役員のすすめ】〜こんな経験ぜったいできない!〜


heart福祉施設訪問

マレーシアの孤児院や身障者施設などを実際に訪問します。 福祉施設訪問では、過去の寄付金が有効に活用されているか、施設の運営状況が適切に行われているか、寄付が必要な状況かなどを確認します。施設訪問を通し、普段の生活で見ることのできないマレーシアの実際を知ることができマレーシアの理解が深まること間違いありません!また、社会的意義のある活動に携わることができ、やりがいも十分です!

 

 

 

heartグルメ体験

福祉施設訪問の合間でのランチ。
ここは、クランにある福祉施設の訪問の際に立ち寄った、前年度かとれあ会役員さんイチオシのバクテー屋さんです。複雑なスパイスの香り豊かで、ほろっほろに煮込まれた豚肉がとても美味でした!


 

heartチャリティバザー等のイベントの企画・開催

チャリティバザーはホテル規模のイベントで、実行委員会が設置され、かとれあ会役員だけでなく、様々な方と協力します。規模が大きく、やることも多岐にわたり大変ですが、頑張った分、達成感も十分です!

 


多くの方にご来場いただきました!ありがとうございました!
かとれあ会では、バザーで得た収益を福祉施設で有効に活用するため、寄付品の選定を行い、2月にドネーション贈呈式を開催します。皆様のチャリティバザーの善意が社会に貢献できるよう、かとれあ会役員一同、力を尽くします。


以上、様々な体験があなたをお待ちしています!ご興味ありましたら、お気軽にお問い合わせください。次年度役員のご応募お待ちしています。


【かとれあ会役員募集】

かとれあ会は1972年に発足した日本人会の婦人部です。福祉施設訪問やチャリティ活動などの社会貢献活動を通じて、日馬友好親善に努めています。かとれあ会役員は、かとれあ会の活動を通して、困難な状況にある人々を支援する様々な福祉施設の活動を知ることができ、チャリティバザー開催等を通じて多くの人と知り合い、大きなイベントをみんなで協力してやり遂げる経験、達成感を得ることができます。ここでしかできない社会的意義のある活動が多くあり、やりがいも十分です。ご応募お待ちしています。詳細は、こちらからご確認ください。
 

  • 受付期間:1月29日(月)から2月26日(月)まで
  • 募集人数:8名程度
  • 活動内容:チャリティバザー開催、福祉施設訪問、ドネーション贈呈式開催、日本人会行事の手伝い、かとれあkiosk開催(不定期ミニバザー)、福祉施設ボランティア等
     
 会長    まとめ役、各会議への出席
 副会長    会長サポート、各会議の司会進行
 書記     各会議の議事録作成
 会計     活動費、交通費等の精算
 広報     ニュースレターかとれあ頁の記事作成、ニュースレター編集会議出席、各イベント写真撮影
 渉外    バザーサポーターとの連絡調整、社会見学開催


JSKL保護者様について
・PTA役員選出を優先とすることをご了承願います
・PTA役員との兼任も可能です
・PTA役員免除等については、PTAのお知らせを御覧ください

ご不明な点やご質問がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
(問い合わせ先)事務局シャロン sharon@jckl.org.my 日本語可

 

 

 


大使館からこんにちは

<日本ASEAN友好協力50周年特別首脳会議>

在マレーシア日本国大使館
政務部 齋藤雅明

 はじめに、元日に発生した能登半島地震及び翌2日に起こった羽田空港における海上保安庁機と民間機との接触事故によりお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。


 昨年は日本とマレーシアとの間で要人往来が活発に行われ、11月には岸田総理夫妻が当地を訪問されました。岸田総理がアンワル首相主催昼食会においてドリアンを美味しそうに食べる「ドリアン外交」の様子をSNSでご覧になられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。12月には、東京にて行われた日本ASEAN友好協力50周年特別首脳会議の機会にアンワル首相夫妻が訪日され、私も同夫妻訪日に対応するために一足先に帰国しました。東京を颯爽と歩くアンワル首相の様子は同首相のSNSでご覧いただけますが、同首相はとにかく歩くのが速く、私はついて行くのがやっとでした。


 

 歴史的な節目となる今回の特別首脳会議では、日本とASEANが長年にわたり築き上げてきた「心と心」のつながる信頼関係を基礎に、将来のための新たなビジョンを示す「共同ビジョン・ステートメント」を採択しました。この中では、人と人とのつながりをこれからも重視することを示す「世代を超えた心と心のパートナー」、経済関係を通じて日ASEANの関係をより深化させることを示す「未来の経済・社会を共創するパートナー」、法の支配や安全保障の分野でも日ASEAN協力を強化することを示す「平和と安定のパートナー」という3つの柱をあげています。これら3つの柱に基づいて具体的な行動計画を確認できたことが、特別首脳会議の大きな成果です。


 

 二国間関係でも、大きな進展がありました。12月16日、同年二度目の日マレーシア首脳会談が行われた後に、両首脳は、日・マレーシア共同声明を発出しました。この共同声明は、良好な日マレーシア関係を「包括的戦略的パートナーシップ」に格上げする、歴史的な一歩です。さらに、会談後には、マレーシアに対する警戒監視用機材供与 (「政府安全保障能力強化支援 (OSA) 」) に関する書簡の署名・交換及び宇宙開発・利用に係る宇宙航空研究開発機構 (JAXA) とマレーシア宇宙庁 (MYSA) との間の協力覚書の交換が行われました。OSAは、マレーシア国軍に対し救難艇等の警戒監視活動に活用される機材を供与するものであり、マレーシアの安全保障能力の強化、ひいては、インド太平洋地域における海洋安全保障の維持・強化に寄与することが期待されます。
 (写真出典:首相官邸ホームページ) 


 


 2025年にマレーシアは、10年ぶりにASEAN議長国となり、ASEAN内の結束や地域の安全保障により大きなリーダーシップを発揮することとなります。日本は、昨年高まった二国間関係のモメンタムを失うことなく、日マレーシア間の「包括的戦略的パートナーシップ」に基づき、マレーシアと更なる協力を進めていく考えです。

 

 

 
今月のローカル食材​
<緑豆ぜんざい」>
 
 


料理講習会講師 ちはる

 


マレーシアのデザートにも穀類を使ったヘルシーな甘味があります。緑豆に赤米と黒米を加え、甘みのあるお粥のようにするのが定番ですが、今回は米類を入れずに緑豆だけのぜんざいを作ります。
この緑豆ぜんざいは、ココナッツミルクを加え、香り付けにパンダンリーフ、甘みには椰子砂糖のグラマラッカを使いますので、南国風味のぜんざいに仕上がります。

 

🍳  材料 4人分

  • 乾燥緑豆 200g
  • グラマラッカ 100g
  • ココナッツミルク 100g
  • パンダンリーフ 1-2枚
  • 生姜スライス 2-3枚
  • 塩 2つまみ
  • 水 1.2ℓ

緑豆
スーパーマーケットで購入可、100gで RM2 程度 (マレー語で kachang hijau)

パンダンリーフ
スーパーマーケットの野菜・ハーブ売り場で購入可、1パック RM2 程度

グラマラッカ(椰子砂糖)
スーパーマーケットの砂糖売り場に、いろいろな大きさの商品が並ぶが、非常に硬いので小ぶりなものが切り分けやすい

フレッシュ・ココナッツミルク
保存性を高めるために食塩を添加しているものもあるので、袋の内容表示確認または使う前に味見をし、味付け用の塩分を調整すること


ココナッツミルクは…
腐りやすく日持ちがしないので、すぐに使わない時は冷凍保存のこと。また長期保存用の紙パックタイプや、乾燥させた粉タイプもある。生の方が香り豊か。


🍳 作り方

①鍋に1.2ℓの水を入れ、洗った緑豆と生姜、軽く縛ったパンダンリーフを入れる

②沸騰したら中火で30分煮て時々アクをすくう

③豆が煮崩れてきたらパンダンリーフを取り出し、グラマラッカを入れて数分煮る (水分が少なければ水を注ぐ)

④塩とココナッツミルクを入れてかき混ぜ、弱火で数分煮たら完成
 

 

*このシリーズで紹介して欲しい食材や調味料・スパイス等あれば、事務局までお寄せください。office@jckl.org.my

 

 

 


今月の漢方
<土鍋>

 

 


国際中医薬膳師/中医実習生  坪井良和

 

 土鍋をお持ちだろうか?  鍋料理以外にも、活用の場を広げる土鍋。マレーシアでもクレイポットチキンライスや、厚揚げ豆腐の煮込みなどでおなじみではないだろうか。土鍋を火にかけると、まずは土が温まり、その後にじんわりと内部が温まっていく。グツグツと音を立てて煮えていく土鍋料理を見ながら、ふと人間の体について思いついたので、今回はそのお話。

 
 先日、アラフィフの男性から「疲れると微熱が出る。午前中はいいのだが夕方になると熱がぶり返す状態が続いてしんどい」という相談を受けた。同年代の女性からも「ホットフラッシュが頻繁。冷たいものを飲むとそのときはスッキリするけれど、あとからどっと疲れが出る」という相談も。これは東洋医学でいうと、典型的な「陰虚火旺」の状態だ。陰 (体液、血液など陰の要素) の不足という原因から、体全体の陰と陽のバランスが崩れて陽 (体の動力となる気の働き) が相対的に過剰になり、結果、発熱という症状が出ている。熱は冷ませばいいのだが、冷たい飲み物や冷房などで体温を直接的に冷やすのは一時的処置に過ぎず、時には体力の消耗がさらにひどくなることもある。
 
 
 この原理を土鍋で説明しよう。五臓六腑のうち、体の真ん中に位置する脾胃が土鍋。その土鍋の煮炊きをする熱源である火が腎、火の強さを調整するふいご (簡単な送風装置) が肝、土鍋のフタが肺、土鍋内部で起きている対流が心だと想像してほしい。

 土鍋の使用上の注意がまさに脾胃 (胃腸) のトリセツ。土鍋と同じで、脾胃も急な温度変化に弱く、強火や空焚きは厳禁。一方で、土鍋を温めている腎の火は命門の火ともいって、命が宿ったそのときから燃え続けている人体の陽気の源である。だから、空焚きにならないために、土鍋は常に適度な水分を保っていなければならない。また、土鍋の中の水分が過度に蒸発しないように、土鍋の中の対流が乱れずに中の食材がきちんと調理されるようにと外部の変化から土鍋を守っているのがそのフタに当たる肺。
 
 
 40代以降の体をこのイメージに当てはめてみる。土鍋本体である脾胃には日頃の食習慣や、時に暴飲暴食によって、また土鍋のフタである肺には喫煙や生活環境、感染症によって、それぞれに経年劣化による細かいひび割れが生じて乾燥しがちな状態にある。生命活動の動力源となる腎の火は常に下からかかっている。ふいごもやはり年数もしくは手入れ不足から柔軟性を欠いており、火力の微妙な調整が難しく、土鍋は空焚きの一歩手前という感じ。そんな状態に直接冷たい水を注ぎ続けると、鍋への負担は増すばかり。陰虚火旺とは、まさにこんな状態なので、治療法としては「体が熱い」のを物理的に冷ますよりは、負担の少ない方法で体を潤し、火力を調整し、陰と陽のバランスを整えていくことに目を向ける必要がある。
 
 

 具体的には、水分を意識的に補充し、かつ胃腸のメンテナンスを大切に。おかゆを炊くことで土鍋のヒビ割れを修復するように、穀類、豆類、イモ類など主食を水分と一緒にじゅうぶんに取る。揚げ物や生もの、激辛などの刺激物は徐々に減らしていくのが望ましい。脾胃の消化吸収作用が改善すると体液や血液といった陰液が増えるので、本体だけでなく、土鍋のフタに当たる肺の損傷も修復してより体の潤いが効果的に保たれるようになるし、肝の柔軟性も上がって腎火の調整がうまくいくようになる。すると、鍋の大きさや厚さ、内容物に応じた火加減が効果的にできるようになり、体温調節を始め、体全体の機能がバランスを取り戻すようになる。

 年を取ってくると、男性は腎虚といって腎の水をためたり、もしくは水を腎火の力で動力に変えるという腎の機能の減退が、女性は「血の道症」という言葉もあるように陰液である血と関係の深い肝の陰虚が進み、体のいろいろな不調を生じる。ただ、脾胃を健康に保つことでこうした不調を緩和したり、機能の減退を遅らせることはできる。目に見える症状だけでなく、体全体のバランスから対処方法を探すのが大事だ。

 

 
はぐくみ会活動報告 <お正月あそび>

1月10日 (水) のはぐくみ会では9名のお子さんのご参加を頂き、にぎやかに開催されました。

お正月あそびをテーマに、福笑いや鏡もちなどお正月のお飾りを見たりさわったり、絵本や鳴子を鳴らしながらお歌あそびをして楽しみました。また保護者向けに、ボランティアの歯科衛生士さんより予防歯科のミニ講座も行われました。


 

 

 

次回活動日(予定) 
2月7日 (水) 雪・節分
詳細はこちら

参加方法 : 
当日始まる前に事務局窓口にて参加チケットを購入 (事前申し込みは不要) 

はぐくみ会はボランティアの方により、幼いお子様と親子で楽しめる遊びを企画されています。今後もたくさんのご参加をお待ちしております。

 
 

 


えっ!マレーシア  <運転免許証のデジタル化>

 

 

今から1年前の2023年2月、マレーシアの運輸大臣が運転免許証とロードタックス支払証明書のデジタル化を段階的に行うと発表した。この一年間でどれだけデジタル化が進んだのだろうか。

まず大きな進捗として、マレーシア政府の「MyJPJ」というアプリが挙げられる。このアプリをダウンロードし、各自の情報を入力して登録すると、手元にある運転免許証カード(LMM)と、ロードタックス支払証明書ステッカー (LKM) のデジタル版がアプリ上で表示できるようになった。これによって、免許証カードを携帯したり、ウインドーガラスにステッカーを貼付する必要がなくなり、携帯ひとつ持って車で出かけられるようになり、大変便利になった。

pic: malaymail
 
 

では、運転免許証の更新手続きはどうだろうか。2023年9月以降、更新のためJPJ (道路交通局) やPOSに行くと、アプリ「MyJPJ」のダウンロードと登録を指示され、アプリ上に新しいデジタル版免許証が表示されるようになった。基本的に物理カードは発行されないが、カードが欲しい人も一定数おり、有料 (RM2) で入手することも可能である。

ただし、これらのデジタル化の対象はマレーシア国民と永住権保持者、その人たちが所有する自家用車のみとなっており(2024年1月時点)、商用車や外国人が所有する車両、外国人の運転免許証は今まで通りのステッカー/カードのみとなっている。しかしながら、政府は段階的にデジタル化を導入すると公言しており、適用範囲も徐々に広がるのではないかと期待する。

マレーシアでは JPJ オフィスの大混雑による苦情が多く、デジタル化によって問題を解決し、経費も大幅に削減できるとしている。また、アプリ「MyJPJ」の表示を見ると、運転免許証の更新手続きもアプリ内で完結するように進められていることが見て取れ、着実にデジタル化が進んでいるようだ。移行期は何かとトラブルもあるだろうが、世界的に見ても遅れをとらないマレーシアのデジタル化の取り組みにエールを送りたい。
 

 
JCKLニュースレター
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