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JCKLニュースレター
タイムリー且つ皆様のお役に立つ情報発信を心掛け、毎月初旬にお届けいたします。
1月11日 (土) に毎年恒例の新年会が開催されました。
常夏のマレーシアで開かれるこのイベントでは、日本のお正月だけではなく当地ならではの催しも楽しむことができます。
今年はお馴染みの琴演奏や鏡開き、餅つき体験などのほか、チャイニーズニューイヤーのライオンダンス、中国伝統芸能の変面ショーなども実施され、来場者数は約2,000人に上りました。年齢、国籍問わず様々な会員の皆さまとともに、華やかな新年の幕開けをお祝いすることができました。
●ライオンダンス
屋台を練り歩くライオンが来場者の頭をガブリ。これには厄除けや無病息災などのご利益があると言われています
ダイナミックに舞うライオンと大迫力のドラム演奏に来場者は釘付け
見上げる高さのポールの上を軽快に行き来
ライオンが野菜や果物を食べ散らかすことで富や幸運が広がると信じられています。ライオンが口から投げるオレンジは縁起物で、手にされた方はラッキー!
ご来賓の皆様と記念撮影
3匹のライオンが約30分にわたり華麗なダンスを披露してくれました
●セレモニー(開会式)
新春の琴演奏
繊細で優しい音色に包まれました
四方敬之大使
KL日本人会 星合会長
KL日本人学校幼稚部
園児による元気いっぱいのダンス
鏡開き(左から)星合会長、四方大使、JACTIM澤村会頭
中国伝統芸能の変面ショー
見事な七変化が見られました
扇子をかざした瞬間にマスクが次々と変わる神業に、会場には終始大歓声が
●パフォーマンス
▼箏曲演奏同好会
大きな和楽器から美しい音色が響き渡りました
▼日本舞踊部
「涙そうそう」の曲に合わせ、日頃の稽古の成果を披露してくださいました
▼KLフラハイビスカス同好会
優雅で流れるような手の動きと滑らかな体の動きが美しいダンスでした
▼KLウクレレ同好会
優しく軽やかな音色には南の爽やかな風が感じられました
▼キッズヒップホップ同好会
「Okey Dokey」の曲に合わせ、息の合った華麗なダンス
▼バラードバンドサークル同好会
ピアノ、ギター、ボーカルのハーモニーが魅力です
ほかには、ミュージックアンサンブル同好会の発表がありました。お正月の歌やマレーシアの楽曲「Balik Kampung」などが演奏されました。
●会場の様子
▼いろはかるた大会
1テーブルにつき最大4人で、4つのレベル(幼稚園、小学校低学年、小学校高学年、中学生以上)に分かれて競技を行いました。1位には優勝賞品、2位以下も参加賞が用意されていました。
日本語を学んでいる帝京学院の学生さん達も参加。取り間違いも大いに楽しみながら、エキサイトされていました
最後2枚になった時、「頭に手を置いてやろう」と自分たちでルールを決めていたのが微笑ましかったです
吉田柑那さん
今までにもかるた大会に参加したことはありますが、こんなに人数が多いのは初めてで面白かったです。2部と3部に参加して、2部では負けてしまったけど、3部では1位になれて嬉しいです
▼スタンプラリー
6種類のスタンプが会館内に設置されました。全部集めた人は景品をゲット!
スタンプラリー制覇のご家族
コメントを頂きました
スタンプラリーのスタンプがカラフルかつお正月にちなんだ柄で子どもたちも張り切って探して押していました。帰ってからも大切にしまってあります。
昨年末に来馬したばかりで、日本人会のイベントに参加するのは初めてでした。盛りだくさんでとても楽しかったです。娘は初めての餅つき体験も出来ました。また家族で参加したいなと思いました。
▼お茶席(表千家)
お茶券は事務局窓口にて1枚RM15で販売しました
▼餅つき
大人用、子ども用の杵が用意されていました
四方大使の力強い餅つきも見られました
▼ヨーヨー釣り
ロビーまで大行列ができるほどの人気ぶり。釣り糸が切れないよう、慎重に!
▼合気道体験
合気道は女性や子どもにも親しまれています
基本の「受け身」は日常生活の護身にも応用できます
▼アマチュア無線の交信実験
災害時等に役立ち、スマホやSNSが普及した今でも親しまれているアマチュア無線。初めて知る活動内容や長い歴史に、子どもたちも興味津々でした
▼ギター演奏会
クラシックギター同好会による演奏会。繊細な音色と、自宅で気兼ねなく練習できる手軽さが魅力
新規メンバーを大募集中! 2月9日(日)にはミニコンサートを開催しますので是非お越しください (11am-12pm さくらルーム)
●各種展示
▼小原流の生花
「新年を寿ぐ迎え花」 日本とマレーシア両国のおめでたい花材で...
瓶花は紅辛夷、蘭、松。両サイドは琳派調いけばなです
「巳年を寿ぐ竹筒の花」
ヘリコニア・オンシジュームなどの花材で...
蔦で蛇のラインを表現
▼書き初め作品
ロビーにJSKL小中学部の書き初めが展示されました
▼一般書道部
形式も書体も異なる作品の数々。釈文を読むとさらに深く味わうことができます
皆さんがそれぞれしたためた今年の干支「巳」。同じ文字でも全く違う雰囲気になるのが書道の面白いところ
▼パッチワークキルト同好会
背丈ほどある大作から普段使いできるアイテム、インテリアなど
パッチワークの可能性や魅力を感じられるコーナーでした
▼絵画部
新年をテーマにした作品。絵画部の皆さんの力作は常時1階と2階の通路に展示されています。来館時にぜひご覧ください
●屋台
開幕のライオンダンスパフォーマンス前からかなりの人出がありました
屋台といえば欠かせないたこ焼きやお好み焼き...ソースの香りが食欲をそそります
焼き鳥やとうもろこしは、お酒のおつまみにもお子様にも◎
できたて屋台飯の数々は、キンキンに冷えたビールとともに!
フレッシュフルーツを贅沢に使ったドリンクや本格和菓子などスイーツも大充実
イートインスペースで乾杯!
●来場者の皆さま
ライオンダンスでオレンジをゲットすることができました!
昨年に比べても、今年の新年会は一段と賑わっているのではないでしょうか。屋台やお正月ならではの企画が楽しめるのはもちろん、子どもたちにとっては以前のクラスメイトと再会できる貴重な機会にもなっています。
家族、友達と来ました
初めての餅つき体験と、ヨーヨー釣りがとても楽しかったです!
奥田穂積さんご夫婦
本場中国でも変面ショーを見たことがありますが、今日の変面はそれに勝るとも劣らない素晴らしいパフォーマンスでした。昨年の太鼓もよかったですが、こちらはユーモアがあり会場も大興奮。感動しました。
矢代久実子さん、咲希さん (左のお二人)
とにかくお琴の音が綺麗でした。難しそうな楽器ですが、素晴らしい演奏で聴き入ってしまいました。
中村志乃さん (右)
これまでは毎年パフォーマーとして出場していましたが、今年は観客として来ました。非常に賑やかで、コロナ禍前の雰囲気が戻ってきた感じがします。以前より中華系の方が増えている印象を受けました。
●新年会実行委員長からご挨拶
浅井隆裕実行委員長
2025年1月11日に令和7年のKL日本人会新年会を皆様と共に迎えることができました。今年は第30回目の開催となり、ご来場頂いた方も約2,000名と昨年を大きく上回る会員様にお越し頂きました。
本年は屋外でのアクロバティックライオンダンスに始まり、新春を祝う琴演奏、園児の皆様のダンスに合唱、中国伝統芸能の変面ショーが行われました。この他、日本の伝統的な正月遊戯である、かるた大会を初めて実施し、スタンプラリーを行うなどしてなるべく多くの皆様に当館や多くのイベントに触れてもらえるように致しました。
本会は日本から遠く離れたマレーシアにおいても現地に住む在住の皆様が正月の文化やアジアの伝統に触れる貴重な機会として毎年行われております。デジタル化が進み、買物や食事もオンラインで完結できる利便性の高い現代において、本会に多くの会員の皆様がお越しになられたことは非常に有意義なことだと感じております。
来年以降も会員の皆様にとって、また来たくなる、楽しみにして頂けるような会であり続けたいと切に願っております。
最後に新年会の開催におきまして、ご尽力頂きました各実行委員、事務局の皆様、また当日運営頂いたボランティアの皆様含めまして、この場をお借りして感謝申し上げます。今後も引き続きKL日本人会へのご支援とご協力を賜わりますよう、宜しくお願い申し上げます。皆様におかれましても素敵な2025年をお過ごしになることを心からお祈りいたします。
新年会にご協力いただいた方々
AEON Credit Service (M) Bhd
Tokio Marine Insurans (M) Bhd
Hibari Clinic
Hong Leong Assurance Berhad
MSIG Insurance (Malaysia) Bhd
SECOM (Malaysia) Sdn Bhd
KL日本人会クラブ活動(部・同好会)
在マレーシア日本国大使館
帝京マレーシア日本語学院
その他ボランティア
以上、多くの方々にご協力いただきました。 厚く御礼申し上げます。
第30回新年会実行委員会
今月の写真<ライオンダンス>
先月の新年会、ライオンダンスでの1シーンである。
高いところで2メートルにも及ぶポールの上で繰り広げられるこのパフォーマンスは、「アクロバティックライオンダンス」とも呼ばれている。大きな体を華麗に操り、力強く踊る様はまさに圧巻だ。
日本で獅子舞というと、迫力ある表情に思わず泣いてしまう子どもたちも多い。対してこちらのライオン、威厳は保ちつつも、フワフワしたフォルムや色とりどりの見た目が非常に親しみやすい。さらに時折見せる愛くるしい仕草には、世代問わず観衆を惹きつける力がある。この日もライオンたちが登場するや否や、瞬く間に人だかりができていた。某テーマパークのパレードで見るキャラクターにも引けを取らない人気ぶりである。
中国正月シーズンにモールなどで目にすることの多いライオンダンスだが、開店祝い、誕生日や結婚式など個人的なイベントに登場することもある。ライオンの眉間についた鏡には邪気を跳ね返す効果があると言われており、悪霊を追い払い観客に幸福をもたらすとされている。また、ドラム演奏における太鼓の音はライオンの鼓動を表しており、ゴングやシンバルの大きな音で悪霊を怖がらせる。
紀元前に中国で生まれ、アジア圏各地で親しまれてきた獅子舞文化。その起源については現在も議論が続いており、パフォーマンス団体や観光サイトによって全く違う説が紹介されているので面白い。興味のある方は、調べて推しの逸話を見つけてみてはいかがだろうか。
かとれあ会
ご支援ありがとうございました
2024年度、かとれあ会では4つのワークショップを企画、開催いたしました。多くの皆さまにご参加いただき、おかげさまでRM2762.63をJCKL慈善基金に寄付することができました。マレーシアで活動する福祉施設支援に役立てさせていただきます。
様々な形でワークショップにご協力いただいた皆さまに心より感謝申し上げます。
<2024年実施ワークショップ>
かとれあ会は、チャリティ活動・ボランティア活動を通じて「日本とマレーシアの友好、親善に貢献するというビジョンを掲げており、2024年度は、①コミュニティーの皆さまの新たな出会い、交流や親睦を促進する ②新たな発見や学びの場を創造し、提供する ③JCKL慈善基金への寄付 の3項目を実現するために、次に紹介するワークショップを開催いたしました。
Taman Tugu レインフォレスト植林&ジャングルウォーキング
2024年6月28日
マレーシアが抱える廃プラスチック処理・水問題や、レインフォレストの自然保護の重要性を学び、Taman Tugu の生物多様性を保護、回復するための植林を体験しました。
〈 Cooking Around the World 〉
ワールドクッキング・シリーズとは?
参加者がその道の達人から新たな知識、技術やレシピを学び、味わう機会を得る。これらの料理の体験を通じて私たちの周りの多くの文化について認識し、理解を深める機会となる体験型料理教室。
Spanish Cooking Workshop
2024年7月10日
KLで人気のスペイン料理レストラン「Marta's Kitchen」のオーナー兼シェフである Marta 氏を講師に迎え、スペインの家庭料理4品を学びました。
Snowskin Mooncake Workshop
2024年9月4日
中国南京出身のアーティスト Xi Rouylou 氏を講師にお招きし、中秋節にトレンドになりつつある求肥のように柔らかい皮のスノースキン月餅を学びました。
発酵の力 Workshop
2024 年9月20日
KLを拠点に発酵食品や調味料の魅力を発信する HAKKO LABO の代表、里崇氏を講師にお招きし、発酵の深い魅力について学びました。
福祉施設『PJ SPASTIC CENTRE』でのボランティア募集!
(出典: Spastic Children's Association of Selangor & Federal Territory )
日時:毎週木曜日 9am-10am
場所:PJ SPASTIC CENTRE
ボランティア内容:音楽セラピー、教室への移動の補助など
PJ SPASTIC CENTRE は、教育、職業訓練、リハビリテーション プログラムの提供を通じて脳性麻痺の重度身体障害のある子どもたちの生活の質を向上させるというビジョンを持ち、1960年から活動している現地NGOで、かとれあ会が支援を続けている施設の一つです。
毎週木曜日には、有志のボランティアが子どもたちの音楽セラピーのお手伝いをしています。障害をもつ子どもたちに関わったことのない初めての方でも、センター職員の指導のもと、安心してご参加いただけます。
まずは、見学からでも大歓迎です。
ご興味のある方は Email: pjspasticvolunteer@gmail.com にご連絡ください。
大使館からこんにちは
<石破総理によるマレーシア訪問>
在マレーシア日本国大使館
政務部/経済部 森岡裕詞
1月9日から10日にかけて石破総理がマレーシアを訪問しました。総理による当地訪問は、2023年11月の岸田総理(当時)による訪問以来1年2か月ぶりですが、今回の訪問は石破総理にとって初めての二国間の外国訪問の機会であり、さらに佳子夫人も同行しての外交日程としても初めての機会であったことから、非常に注目を集める外国訪問となりました。
クアラルンプール国際空港にて、政府専用機から降機する石破総理夫妻 (出典:首相官邸HPより)
石破総理は1月9日夕刻にクアラルンプールに到着しました。石破総理がマレーシアを訪問するのは、実に34年ぶりだったそうで、その間の目覚ましい発展ぶりに「驚愕と感動を覚えた」そうです。石破総理が34年ぶりに、また、総理として初の二国間訪問先としてマレーシアを訪問した背景には、日本がマレーシアを重視する理由があります。
第一に、日本外交にとり、ASEAN・東南アジア地域との連携を強化することは、最優先の課題の一つです。インド洋地域と太平洋地域の結節点に位置し、陸と海のASEANをつないでいるマレーシアは、日本と基本的な価値観や原則を共有する包括的・戦略的なパートナーに他なりません。また、本年は、マレーシアがASEAN議長国の重責を担っていることも、同国を更に重要にしています。
第二に、マレーシアとは、昨年末に安全保障分野で外務次官級協議、あるいは初めてとなる外務防衛当局間の戦略対話の開催といった戦略安保対話が進展しています。首脳会談では、両国間の対話や共同訓練について、今後も協力を一層推進することで一致したほか、政府安全保障能力強化支援(OSA)の着実な進展、海上保安やサイバーセキュリティの分野でも関係当局間の連携を推進することで一致しました。私は大使館で海上保安の分野を担当していますが、今回の首脳会談を受けて、日本の海上保安庁とマレーシアの海上法令執行庁(MMEA)の間で、合同訓練や第三国への研修、人材交流の面で協力関係が一層深まることを期待します。
第三に、経済の分野において、マレーシアは重要な資源等の供給国であり、経済的な結びつきをさらに強化する必要がある点です。首脳会談では、アンワル首相が進めるマダニ政策を踏まえ、半導体、航空機部品といった重要なセクターにおけるサプライチェーン強靱化やレアアース開発といった分野で協力していくことで一致するとともに、エネルギー安全保障の確保と多様な道筋による脱炭素化に向けて、マレーシアからの今後のLNG安定供給について確認しました。また、二酸化炭素回収・貯留(CCS)、アンモニア発電、送電線分野での連携、海洋温度差発電、バイオマス分野の技術協力、そして水素、LNG等の協力を更に進めていくことを確認し、さらにアジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)においても協力を一層強化していくことで一致しました。また激甚化が懸念される気候変動への対応という観点において、マレーシアは洪水の被害にも多く見舞われている国であり、日本の災害リスク管理の方法、経験あるいは知見を活かして被害を低減させていけるよう、今後の連携で一致しました。
第四に、人材育成・交流です。マレーシアはこれまで、東方政策に基づき、学生の日本留学や行政官の日本での研修を通じて、日本の労働倫理、勤労意欲、道徳、経営能力等を学ぶことで、自国の経済社会の発展と産業基盤の確立に役立ててきました。昨年9月に日本の大学として初めての海外分校である筑波大学マレーシア校が設置されましたが、他の大学においてもマレーシアとの交流が増え、教育・研究分野でもお互いに高めあう関係を目指していきたいと考えています。
首脳会談の場では、上記に加えて、両首脳は地域情勢についても議論し、東シナ海、南シナ海、中東、ミャンマー情勢などを取り上げてやりとりを行い、これらについても意思疎通を緊密にすることで一致を見ました。
日・マレーシア首脳会談(全体会合)の様子(出典:首相官邸HPより)
会談後、首相公邸で行われた午餐会の場では、子供達との記念撮影など、マレーシア側の温かいおもてなしが感じられ、石破総理とアンワル首相との非常に打ち解けた様子もみられました。
大使館としては年始早々の大仕事でしたが、石破総理の訪問で始まったこの2025年が、マレーシアと日本にとって飛躍の年となるよう、当地でご活躍されている皆様の活動をこれからもサポートしてまいります。
KL日本人墓地に献花する石破総理(出典:首相官邸HPより)
<マレー菓子 オンデオンデ>
料理講習会講師 ちはる
日本人にも人気のある「オンデオンデ」は、黒蜜入りパンダン味のお団子。お口の中でコクのある黒蜜がジュワッと広がる何ともユニークなスイーツです。
市販品のオンデオンデは人工のパンダンエッセンスを使っていることが多いのですが、今回はパンダンの葉からエキスを搾りますので、ナチュラルな色と香りに仕上がります。
もち米粉から作る生菓子ですし、ココナッツフレークも傷みやすいので、作ったその日に食べ切りましょう。モチモチとした食感を楽しむことができ、作り立ての美味しさは格別です。
🍳 材料 約12個分
・もち米粉 100g
・グラマラッカ(椰子砂糖) 100g
・ココナッツフレーク 80g
・パンダンリーフ 10枚(約40g)
・水 100ml
・米油* 小さじ1/3
・塩 ひとつまみ
*油臭さが少なくおすすめだが、ほかの油でも可
ココナッツフレーク
削りたての新鮮なココナッツフレークは風味がよく、甘みもある。日持ちしない食材なので、開封して変な臭いがしたり黄色っぽく変色していたら廃棄すること。所々に見られる茶色の部分は外殻に近いフレークなので、そのまま使ってよい。
スーパーマーケットの生鮮食品売り場やモーニングマーケットなどで購入可。RM6程度/300g
もち米粉
Glutinous Rice Flour
粒子が細かいので、つるりとした食感の白玉が出来上がる。RM5程度/500g
パンダンリーフ Pandan Leaf
香り付けのハーブで、緑色の着色料としても広く使用される。野菜売り場でRM2程度/袋
グラマラッカ(椰子砂糖)
Gula Melaka
椰子の樹液を煮詰めた砂糖でコクのある甘さにほのかな酸味がある。
グラマラッカと表示されていても、写真の商品のようにきび砂糖(さとうきびから作られる砂糖)が混ざっているものが大半で、今回はこれを使用する。
椰子砂糖の割合が高いものほどコクと甘味に深みがあって美味しい。
🍳 下準備
ココナッツフレークに塩をまぶして混ぜ、10分蒸して冷ましておく
グラマラッカのブロックはとても硬いので、すり鉢とすりこぎを使って粉砕するか、包丁で少しずつ削る (硬くて滑りやすいので注意)
粒が大きいままだと、団子を茹でた時に中で溶け切らずにシャリシャリとした食感が残ってしまうので、しっかり潰す
🍳 作り方
①パンダンリーフをキッチンばさみで粗く切る
②水100mlを加え、ミキサーやハンドブレンダーなどでピューレにする
③ピューレを濾してパンダンエキスを取り出す
④パンダンエキスにもち米粉を入れ、しっかり混ぜる
⑤油を加え、手で練り込むように少し捏ねる
⑥ラップで包んで10分ほど寝かせ、12等分にする
⑦生地を平円形に伸ばし、砕いたグラマラッカを中央にのせる
⑧グラマラッカの周りの生地の厚さが均一になるように丸める(生地の薄い部分は蜜が流れ出てしまうので丁寧にくるむこと)
⑨鍋にたっぷりの湯を沸かし、形を整えながら湯の中に入れる
⑩浮き上がってくるまで茹で、更に中火で1~2分茹でる(グラマラッカを完全に液状にするため)
⑪表面に穴を開けてしまわないように気を付けながら(蜜が流れ出てしまう) 水気を切り、ココナッツフレークをたっぷりまぶす
⑫勢いよくかぶりつくと溶けたグラマラッカが飛び散るので注意。茹でたては中の蜜もかなり熱いので、しっかり冷ますこと
今月の漢方
<血の道症と漢方4:瘀血 桂枝茯苓丸>
国際中医薬膳師/中医実習生 坪井良和
「血の道症」(女性のライフステージ:生理、妊娠、出産、授乳、更年期に特有の体の不調)に関するお話の最終回は「瘀血」とその代表的な処方「桂枝茯苓丸」。
「瘀血」と桂枝茯苓丸
桂枝茯苓丸は子宮筋腫の治療に使われることで有名である。非常に古くからある処方の一つで、中国医学の祖の一人張仲景が、紀元三世紀(日本は弥生時代)ごろに、当時すでに広く使われていた処方と治療方法をまとめた「金匱要略」に婦人科の薬としてその名を残している。「常日頃から腹部にしこりがある婦人、妊娠したあと胎動不安、不正出血を引き起こしている。この原因は腹部のしこりにあり、それを解消するための薬である」という記述があり、しこりを徐々に取り除きながら、妊娠を継続させ、胎児の発育を促す処方とされている。現代ではその「しこりの解消」の効能がさまざまな疾病に応用され、子宮筋腫、子宮粘膜症をはじめ、月経困難症、月経痛、更年期障害などの主に痛みや熱感を伴う婦人科疾病のほか、下肢静脈瘤や手術後の腫れ、高血圧や頭痛の治療などに使われることもある。
桂枝茯苓丸
上段左から桂皮、茯苓、下段左から桃仁、牡丹皮、芍薬
桂枝茯苓丸は各種子宮筋腫の治療によく処方される
急激で強い、刺すような生理痛に処方されることが多い
「瘀血」とは、鬱血して滞留した血液の塊のこと。例えばどこかにぶつけてできた皮下出血、脳梗塞や心筋梗塞の原因となる血栓も瘀血の一種だし、若い時の古傷が寒くなると痛むというのもその古い傷口に瘀血があるからだと東洋医学では考える。その鬱血はどうやって起きるのか。ケガや手術で気や血の流れが阻害されて生じる場合もあれば、「気滞」や「血虚」から血流やリンパの流れが悪くなり新陳代謝が悪くなって瘀血が生じることもある。流れが悪くなったところに「 瘀血」 が生じ、またその 「 瘀血」 によって気や血の流れが悪くなって、そこに痛みや不快症状が引き起こされる。その状態を東洋医学では「不通即痛」という。「気滞」(気の流れがスムーズでない状態)、「血虚」(血の不足、ひいては血と気の不足から生じる不調)に比べ、実体としての塊である 「 瘀血」 が体の正常な機能を妨げている状態であり、治療にはまずこの不調の原因を取り除かなければならないのである。
瘀血の引き起こす症状
鬱血、静脈瘤、血栓などの治療にも応用される
桂枝茯苓丸に使われている生薬は、桂枝、桃仁、茯苓、牡丹皮、芍薬で、もともとはこれらの生薬を粉末にし、蜜で固めて丸薬として服用した。桂枝と桃仁には、凝り固まった瘀血をほぐしつつ外に排出するのを促す作用があり、茯苓、牡丹皮、芍薬は、瘀血の排出を助けるために血と水分を補う三薬である。前回前々回で触れた、逍遥散や当帰芍薬散と違い、実体化した詰まりの原因を排出し、通りをよくすることに重点を置いた組み合わせである。桃仁は便秘薬にも使われるほど不要物を排出する効果が強く、さらに桂枝も血流を良くする効果に優れている。そのため、そのまま使うと妊娠中の母体と胎児には刺激が強すぎることから、丸薬とすることで薬効の体内への吸収を穏やかにしたのである。現在では丸薬として名前は残るものの生薬を煎じたりエキス錠であることがほとんどなので効果が強く、妊婦や虚弱体質者にはそのまま用いられることは少ない。痛みや熱感が強い場合や瘀血が目に見えること、ある程度の体力があることを確認して処方される。
現在はカプセルや錠剤、エキス剤として加工されることが多く、効き目も早い
4回にわたって婦人病によく使われる三大漢方処方をご紹介した。それぞれ、日本でもポピュラーな処方で、ドラッグストアなどでも気軽に手に入るし、漢方処方に日本独自の生薬を加えて開発された和漢薬のうち、血の道症に用いられる「中将湯」「命の母」などのベースにもなっている。日本の漢方エキス剤や和漢薬、市販薬はマレーシアの中医師もすすめるほど品質の高さも折り紙付きで、説明書きにもたくさんの工夫が凝らされている。だからこそ、「更年期には○○」という試し方ではなく、適応症状や処方解説を読み、もしくは薬剤師や登録販売者に相談し、自分の症状にあったものをお試しいただきたい。
1月8日 (水) のはぐくみ会には8名のお子さんのご参加があり、お正月をテーマにした遊びを取り入れて行われました。
鏡餅やだるまさんのお飾りを見たり、福笑いでおもしろい顔を作ったりして遊びました。また、昔ながらのお正月ソング「凧あげの歌」などをみんなで歌いました。
最後に小さいお子さんに人気のだるまさんシリーズの絵本を読み、お正月の雰囲気をたっぷり楽しむ1月の活動となりました。
えっ!マレーシア
<マレーシア華人の正月料理 イーサン>
イーサン(魚生 / Yee Sang)とは細切り野菜にサーモンなどの刺身をトッピングし、特製ドレッシングでいただく中国正月限定のおめでたい料理のこと。マレーシアとシンガポール固有の縁起料理で、中国や香港には存在しないという何ともユニークなお料理である。
日本のおせち料理に一つひとつ意味があるように、イーサンも具材からドレッシングの油にいたるまでゲン担ぎの食材を寄せ集めており、マレーシア華人の中国正月に欠かせないスーパー開運フードとして根付いている。
🥢大事なのは一連のアクション!
まずはイーサンの大皿をみんなで囲み、箸を持って立ち上がる。掛け声とともに、運気を盛り上げるように箸で具を高く持ち上げ、一年の願い事を唱えながらどんどん混ぜ合わせていく。テーブルに飛び散っても問題なく、豪快に混ぜることが運気を上げるコツとされている。その後、銘々皿に取り分け、みんなで余韻を楽しみながら美味しくいただくのである。混ぜる時の掛け声「ローヘイ」は pick up という意味で、漁師が網にかかった魚を引き揚げる時の掛け声に由来する。
🥢イーサンのルーツ
マレーシアとシンガポールのどちらが発祥地かという問題は、いろいろな伝統文化でよく見られる論争だが、イーサンも例外ではなく諸説があり、真相は不明だ。1940年代にセレンバンのシェフが広東料理の“岡州魚肉面”を元に考案したとする説があるが、シンガポール側は1964年に4人のシェフが思いついた料理と主張している。いずれにしても、イーサンという言葉が広東語であり、旧正月に生魚を食べる習慣が広東省にあったことから、広東省に起因した食べ物といえそうだ。マレーシアの国家遺産局はイーサンを文化遺産として登録している。
🥢お味は?
レシピは時代と共にアレンジが加えられているが、刺身はマレーシア人に人気のあるサーモンを使うことが多い。野菜は大根、ニンジン、キュウリ、レタス、紫キャベツなど。それにポメロ(柑橘類)やワンタンの皮を揚げて砕いたもの、ピーナッツクランチなどをまぶし、サラダのようなあっさりとした食べ物である。
中国正月の期間にしか食べられないイーサンは、中華レストランで人数に合わせてオーダーすることができる。スーパーマーケットの食品売り場にも並ぶので、在馬中にご家族や友人と楽しんでみてはいかがだろうか。
持ち帰り用のイーサンセット
JCKLニュースレター
【編集委員】
- 柳井 教男(編集長)
- 松尾 義裕(副編集長)
- 五十嵐 胡桃(編集委員)
- 上野 周子(編集委員)
- 勝田 羊奈子(編集委員)
- 木村 もと(編集委員)
- 澤村 文江(編集委員)
*掲載の内容は変更が生じる場合があります。
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